学資保険の特徴
子どもが生まれたので学資保険に加入した方がいいのかどうか迷っています。どのように考えたらいいでしょうか?
子どもにかかる教育資金の準備開始時期としては、誕生時が52.8%・幼稚園入園前が19.3%・小学校入学前が10.3%となっていて、子どもが誕生したときに教育資金の準備を始める人が圧倒的に多くなっています(平成22年サラリーマン世帯生活意識調査)。
特に子どもが大学へ進学した場合で一番多いケースである、「私立・文系・自宅通学」でみると、4年間で必要な教育費は約670万円にもなります。理系や医歯学系になればさらに金額が増えていきますので、親としては頭の痛いところですね(文部科学省:私立大学の平成23年度入学者に係る学生納付金等調査結果)。
これだけの資金の準備が、住宅ローンの返済と重なったり、他の子どもの進学時期と重なったりすると、負担が大きくなり、そのときの収入で賄うことが難しくなります。ですから、早めに準備を進めていく必要があります。それでは、教育資金の準備方法としてはどのような方法が考えられるでしょうか?
「学資保険に加入する」「銀行の積立預金や定期預金を利用する」「学資保険以外の貯蓄性のある保険に加入する」「投資信託等の運用を開始する」等の方法が考えられます。これらの方法のなかで一番多いのは、やはり学資保険に加入する方法です。
なぜ、学資保険に加入する人が多いのでしょうか?
それは、保障と貯蓄を兼ね備えた商品性にあります。父親あるいは母親が契約者になって、子どもが18歳になったときに200万円を受け取るという契約内容だったとしましょう。この場合、万一父親が亡くなったとしても、その後子どもが18歳になるまでの保険料の支払いは免除され、200万円は契約通り受け取ることができます(保険料支払免除督特則付の場合)。
銀行で積み立てをしても保障はありませんし、投資信託等の運用だと元本割れするリスクがありますので、これらの点で他の準備方法より学資保険の加入を選ぶ人が多くなっています。
それでは、各保険会社が取り扱っている学資保険のなかからどのように選択したらいいでしょうか?ポイントは、支払った保険料と受け取る保険金のバランスになります。例えば、100万円支払って110万円受け取るのと、100万円支払って120万円受け取るのとでは断然120万円受け取る方がいいですよね。
また、学資保険以外の保険でおすすめできるのが低解約返戻金型終身保険・低解約返戻金型定期保険の加入です。保険を解約したときに戻ってくるお金を貯金と考えて、子どもが18歳になったときに解約して教育資金に充てる方法です。死亡保障の機能が付いていますし、保険金を一時金で受け取れる等の柔軟性もあるのが魅力です。最近は、学資保険よりも支払ったお金と受け取るお金とのバランスが良い保険がありますので、検討してみるのもいいでしょう。
親としては、子どもが大学へ行きたいと言ってきたら、行かせてあげたいと思いますよね。後悔することがないように、子どもが小さいうちから教育資金の準備を始めるようにしましょう。
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コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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