あきらめないで!
5歳、6歳からの学資保険
最終更新日:2018年10月16日
沙織さん(仮名)は子どもが私立幼稚園を卒園するのを機に、将来の教育資金準備を始めようと考えました。
小学校は公立へ進学することになり、私立幼稚園ほど費用がかからなくなるため、その分を積み立てして、大学入学等の費用に備えようと考えたのです。
学資保険加入、5歳からでは遅い?
「教育資金積み立てなら学資保険」と考えた沙織さんは、さっそく何人かのママ友に、学資保険はどこがいいと思うかたずねてみました。
ところが、ママ友のほとんどが、
「今からだと加入できないかもしれないよ。」とか、
「今から学資保険はもう遅いんじゃない?」
などというのです。
そんなことは考えてもみなかった沙織さんは驚きました。
「夫も子どもも特に持病などはないのに、どうして入れないの?」
沙織さんは、ママ友の一人、優子さん(仮名)に、つい詰め寄るように聞いてしまいました。
優子さんは困ったように、
「これからでも入れる学資保険は、探せばいくつもあると思うけど、」
と前置きした上で、
「学資保険は必要となる時期が決まっているでしょ?高校進学時とか、大学進学時とかだよね。だから、これから学資保険に入ると、0歳の時から加入している人より短期間で積み立てしないといけなくなるから、保険料が高くなったり、返戻率※1が悪くなったり、商品によっては全く加入できなかったりすることもあるのよ。」
と話し出しました。
これから加入して納得できるかがカギ
「例えば、5年で100万円貯めるのと3年で100万円貯めるのだったら、月々の積立額は5年かけて貯める方が少なくてすむし、預金なら利息も普通は5年預けている方がたくさんつくでしょ。それと同じ。」
優子さんは続けます。
「だから、これから学資保険に入っても、0歳の時から入っている人と比べると、毎月の保険料は高くて支払いは大変なのに、満期になって戻ってくるお金は0歳で加入した人より少なくなってしまうので、せっかく加入しても何か“損”をしたような気持ちになってしまう可能性があるから、みんなはそれを心配して、おすすめしなかったんじゃないかな。」
と、とりなしました。
「そうだったのね、知らなかったわ。うかつだったのね、私……。」
「それに、」
と優子さんはさらに続けます。
「毎月保険料を支払うたびに、“あ~あ、0歳の時に入っていればよかったな~”、と思ってしまうと、ストレスがたまりそうでしょ?その結果続ける気力がなくなって、途中でやめてしまったりしたら、学資保険の中途解約はほぼ元本割れしてしまうから……。」
「せっかくの教育資金がマイナスになってしまうのね。確かにそういうこともあるかも。」
がっかりする沙織さんを励ますように、
「でも、」
と優子さんは続けます。
「学資保険には教育費の積み立てだけじゃなく、親(保護者)に何かあった時、その後の保険料支払いは免除され、満期金は確保されるという、保険としての機能※2があるから、今からでも学資保険に入る値打ちは十分あると思うよ。」
さらに優子さんは、
「それに、よく調べれば、これからでもそこそこ納得できる返戻率の学資保険もいくつかあると思うよ。」
と、つけ足しました。
「えっ、本当?」
沙織さんの顔がぱっと明るくなります。
優子さんはうなずきながら続けます。
「確かに学資保険のなかには、5、6歳で加入すると、支払った保険料総額と、満期までに受け取れる返戻金総額がほとんど変わらない、つまり返戻率がほぼ100%に近いものもあるけれど、5歳の時に加入して、返戻率が105%ぐらいになる学資保険ならいくつかあったと思うよ※3。
そりゃあもちろん、その学資保険に、0歳の時から加入するのと比べてしまうと見劣りはするけれど、105%ぐらいあれば定期預金に比べればだいぶいい※3し、いずれにしても何らかの方法で教育資金準備をはじめないといけないことを考えると、納得できる範囲の返戻率のような気がしない?」
これからでも返戻率は上げられる?
「なるほどね、確かにどっちにしても教育資金の準備は始めないといけないわね。それで、その学資保険はどこのだったか教えてくれる?」
沙織さんは勢い込んでたずねます。
「そこまでは覚えていないけど、インターネットで複数の学資保険を比較できるサイトがあるから、そこで調べればすぐわかると思うよ。例えば『保険市場』だと、子どもと契約者(親)の年齢で簡単にシミュレーションができるよ。
沙織さんの場合は、0歳で加入した時の返戻率と、5歳で加入した時の返戻率とをシミュレーションで比較してみて、これなら今から加入しても納得できる、と思える学資保険を探してみればいいんじゃないかな。納得できれば、解約しないで続けられるんじゃない?」
「確かにそうね!一度探してみることにするわ!」
沙織さんの声ははずんでいます。
優子さんもにっこりしてさらに続けました。
「実は、これからでも返戻率をあげる方法はあるのよ。0歳の時に加入した場合の返戻率と同じにすることは無理かもしれないけど、保険料の支払方法を年払いにしたり、高校進学時等のお祝い金を受け取らずに据え置いたりすれば、返戻率は上げられるよ。
ほかにも、保険料を払い込む期間を一時払い、全期前納払いや短期払い※4にする方法などもあるし、納得できそうな学資保険がみつかったら、一度、複数の保険を比較できる保険ショップで相談してみるのもいいと思うよ。
返戻率のことだけじゃなくて、例えば、お祝い金の受け取り時期は商品によって微妙に違ったりするけれど、どれが自分にあった商品なのかなどのアドバイスをしてくれると思う。
ほかに、もしクレジットカードで支払いができれば、カードによってはポイントがつく場合もあるわよ。」
「なるほど!!」
- ※1 返戻率とは、受け取れる満期金・お祝い金の総額を、支払った保険料総額で割ったもの。
返戻率が高いほど、支払った保険料と比べてより多くの満期金、お祝い金が受け取れる。
なお、返戻率100%未満はいわゆる元本割れの状態。 - ※2 保険料支払免除が特則になっている学資保険もあります。
- ※3 2015年7月7日現在。
- ※4 短期払いとは、保険期間よりも短い期間で保険料を払い終えることをいいます。払込期間が短いほど保険料の払込総額は少なくなりますが、毎回支払う保険料は高くなります。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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