保険会社の健全性
保険に加入する際、保険料は当然気になるのですが、保険会社が破綻しないかも気になります。安全な保険会社を選択するにはどうしたらよいのでしょうか?
保険に加入すると、終身の医療保険等契約が長期に及ぶものも多いため、保険会社と長くお付き合いすることになります。保険商品を比較する際、保険料にすぐ目がいきがちですが、保険会社の健全性を見極めることも非常に重要です。この保険会社の健全性を判断する指標が4つありますので、順を追って一緒にみていきましょう。
1.ソルベンシー・マージン比率を確認してみる
保険会社は、契約者に万一のとき保険金を支払うわけですが、この万一が起こる確率は、過去の統計から割り出しています。しかし、大地震等予想外のことが起こると保険金の支払いが多額になる可能性があります。ソルベンシー・マージン比率とは、このような予想外の支払いに対応できるのかどうかを示す保険会社の「支払余力」のことをいいます。
ソルベンシー・マージン比率の数字が大きいほど、リスクへの対応能力がある保険会社ということになります。最低200%以上ですが、過去破綻した保険会社の中には600%前後の会社もありました。
2.格付けを確認してみる
格付けとは、保険会社の財務力や保険金支払能力をアルファベットの「ABC」や「+-」の記号を使って表すもので、格付け会社が独自に調査をして発表するものになります。格付け会社は1社だけではなく数社ありますし、評価の仕方も違いますので数社の格付けをチェックするようにしましょう。主な格付け会社は、スタンダード&プアーズ(S&P)やムーディーズ(MDY)になります。「AAA」(トリプルエー)等Aが多い方が格付けは高く健全性も高いと判断することができます。
3.実質純資産額を確認してみる
実質純資産額とは、保険会社の資産合計から負債の合計を差し引いた指標で、債務超過ではないかどうかを判断することができるもので、保険会社の健全性の状況を示す、行政監督上の指標のひとつとなっています。債務超過を家計に例えると、預貯金が300万円なのに対して、借金が500万円あるようなケースと考えるとわかりやすいと思います。
4.基礎利益を確認してみる
基礎利益とは、保険会社の保険本業の収益を示す指標になります。利益が減少していると長くお付き合いができるのか不安になってしまいます。
これらの指標は、保険会社の商品パンフレットやホームページ等で確認することができます。商品パンフレットは、資料請求や代理店の店頭等でもらいましょう。保険商品によっては、保険会社と50年以上等長期のお付き合いになる場合もありますので、保険料だけではなく保険会社の健全性も是非チェックするようにしましょう。
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コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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