生命保険は、お金持ちが入るものですか?~生命保険の必要性~
以前、お客さまからいただいた質問なのですが、
「生命保険は、お金持ちが入るものですよね?お金も掛かりますし、私には高い買い物でふさわしくないと考えておりますので、解約しようと思っているのですが、大丈夫ですよね?」
というものでした。皆さまは、これが正解だと思いますか?それとも、不正解だと思いますか?
実は、この答えは残念ながら、「不正解」なのです。
なぜ、生命保険に加入するのでしょうか?
世の中のたくさんの方々が、生命保険に加入するのは、一体なぜなのでしょうか?その答えは、万一のことがあったら困るからです。
例えば、
- ・家計を支えていた方がお亡くなりになったとしたら?
- ・共稼ぎ世帯の場合で、どちらかがお亡くなりになったとしたら?
- ・働き手の家族がケガや病気で働けなくなったとしたら?
- ・小さい子どもがケガや病気で長期間の入院が必要となり、働いている家族の誰かが、入院している子どもに付き添わなくてはならなくなったとしたら?
等々……。
このような事態に陥った場合、あなたのご家庭は金銭的に耐えられますか?
生命保険の役割は、今後起こるかもしれない「もしも」というリスクに対して備えるものなのです。従って、生活費という観点からみた場合、私が以前にお客さまから質問いただいた、「生命保険はお金持ちが入るものか?」という問いの答えは間違いだということを、ご理解いただけるかと思います。きちんと必要保障額がカバーされた適切な生命保険に加入していることにより、万一のことがあった場合、家族が生活に困らないで済むのです。
お金持ちに生命保険は必要か?
万一のことがあっても、生活費という観点からみた場合、これからの生活に困らないお金持ちである資産家のご家庭の場合は、そのご家庭ごとに考え方がさまざまだと思いますので、一概にはいえません。資産家の場合、保有している資産を売却等して、生活費に充当しようとお考えの場合は、生命保険が必要ないという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、「資産を子孫に残したい」、事業をしている場合「事業を継承し続けていきたい」というようにお考えの方であれば、万一のことがあった場合、資産を減らさない対策として、生命保険等で備える必要性があるでしょう。つまり、資産家の方に生命保険が必要なのかは、個々の考え方次第で変わります。
生命保険はどんな方に必要か?
生命保険はどんな方に必要かということですが、それは、万一のことがあった場合に困る方に必要です。決して、生命保険はお金持ちだけが入るものではありません。お金持ち、お金持ちでないにかかわらず、万一のことがあった場合に困る方には必要なのです。
もし、万一のことがあった場合、あなたの家庭はどのくらい備えが必要なのか、生命保険を見直す際に、生命保険会社やファイナンシャルプランナー等に必要保障額を試算してもらうと良いでしょう。
最後に……
皆さまは、今日本で、子どもの6人に1人が貧困状態にあるという現実について、テレビや新聞等で見聞きしたことはありませんか?
厚生労働省「平成25年 国民生活基礎調査」によると、平成24年の子どもの貧困率は16.3%、つまり6人に1人の割合で貧困状態にあります。特に母子家庭の貧困が大変な問題になっているのが現実です。
では、貧困状態にあるというのは、どういうことをいうのでしょうか?問題となっている中には、自宅での食事も満足に取れず、学校の給食で栄養を摂取している子どももおり、夏休み明けに体重の減っている子どもがいるというのです。戦後ならまだしも、この時代の日本において、栄養失調だなんて耳を疑わずにはいられませんでした。
あなたのご家庭に万一のことがあった場合、自分の子どもが貧困状態に苦しむ可能性があるとするならば、あなたはどうされますか?貧困状態になる理由は、親の死亡以外にもさまざまなことがあるかもしれませんが、せめて親の死亡等に備えることはしておきたいものです。そして、万一に備えることを可能にする代表的なものが、生命保険なのです。
生命保険とは、万一のことがあった場合、私たちの命をつないでくれるものです。決して、お金持ちだけが加入するものではありません。ぜひ、これを機会に、生命保険の必要性について、皆さまにも考えてほしいと思います。
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コラム執筆者プロフィール
伊藤 美恵 (イトウ ミエ) マイアドバイザー.jp®登録 - 元証券会社窓口、生命保険会社、企業の経理担当等を経て、独立開業。
現在は、相談業務を中心に、セミナー講師、執筆、企業の福利厚生員として活動。
専門分野は、生命保険・教育資金・住宅ローン・資産運用等、トータル的に家計の見直しをし、老後を視野に入れたプランニング。
ファイナンシャルプランナー 伊藤 美恵
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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