働き世代が生前給付型保障を大いに活用して、楽しく安心に生きるには①
ファイナンシャルプランナーの中野 庸起子です。今回のコラムでは、ライフスタイルの変化に伴い、30代から50代の働き世代の方々にニーズが高まりつつある「生前給付型保障保険」について、2回に分けてお伝えしたいと思います。「死亡保障型保険」は、遺族にお金を残すことを目的としていますが、ご自身がより良い医療を受け、楽しく生きることを目的とした保険が「生前給付型保障保険」です。まず、今回は「生前給付型保障とはどういうものかについて」と、「ライフスタイルの変化における、生前給付型保障保険へのニーズについて」をお話しします。
生前給付型保障の保険のニーズが高まる時代へ
生前給付型の保険とは、三大成人病(がん・心筋梗塞・脳卒中)等の特定の病気にかかり、所定の状態になって生存している場合に、請求により被保険者本人に死亡保険金と同額の給付金が支払われるものをいいます。
近年、この生前給付型保障のニーズが高まってきています。それは、なぜなのでしょうか?まずは、最近のライフスタイルの変化を、統計よりみていきましょう。
平成22年の国勢調査による未婚率は、下記のとおりです。
男性 % | 女性 % | |
---|---|---|
30~34歳未満 | 47.1 | 32.0 |
35~39歳未満 | 30.0 | 18.4 |
40~44歳未満 | 22.0 | 12.1 |
さらに生涯未婚率は、国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集(2012)」によると、2010年には男性が20.14%、女性10.61%でした。生涯未婚率とは、「45~49歳」と「50~54歳」の未婚率の平均値から、50歳時の未婚率を算出したものをいいます。
これらからわかる未婚率の現況だけではなく、少子高齢化社会の加速、既婚でも子どもをもたない家族の増加、出生率の減少というように、ライフスタイルが変化しているなかで、一昔前のように「生命保険=死亡保険」で遺族のためにお金を残すという考えよりも、独身やDINKS(共働きの夫婦で、子どもをもたないという生活スタイルの人々)の方のなかには、生きるために保険を使いたいと思っている方もいます。そのような備えに合った保険は、先ほどお話ししました、生前給付型保障保険といえます。
生前給付型保障保険には、「特定疾病保障保険」や「三大疾病保障保険」という名称でよばれるものがあり、これらには「終身保険タイプ」と「定期保険タイプ」があります。三大成人病以外にも、重度の糖尿病、重度の高血圧症、慢性すい炎、慢性腎不全等の重い疾患にかかった場合に、生前に保険金が支払われる「重度慢性疾患保障保険」というものもあります。そして、死亡保険の特約としてつけられるもので、「生きるために保険を使う」という考えに沿ったものとしては、「リビングニーズ特約」も生前給付型保障のひとつです。
独身の場合、ご自身が大病にかかることによるリスクの備えとして、その病気を治すために保険金を受け取り、経済的不安を減らしたい方も少なくないでしょう。さらに、より良い医療を受け、早く仕事に復帰し、快適に人生を過ごす方を望むのであれば、死亡保障よりも医療保障を重視するということになります。
また、夫婦だけの家族、子どもがいる家族のいずれの場合も、一家の大黒柱にもしものことがあったら、まずは本人の病気を治すことが先決だと考えるでしょう。保険の役割は、一家の大黒柱が死亡した場合に保障を受けることだけではありません。大病にかかってしまった場合の経済的負担を減らし、家族全員で乗り越えるためにも必要なものです。ご自身が長く生きるために保険を活用し、ご自身と家族が力を合わせてその後を生きるための人生設計を立てる、という考え方に基づいた保険選びをされてはいかがでしょうか。
次回は、30代から50代の働き盛りの男女が、生前給付型保障保険を選ぶ場合に知っておくべきことや、考えておいた方がいいことについてお伝えします。
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コラム執筆者プロフィール
中野 庸起子 (ナカノ ユキコ) マイアドバイザー.jp®登録 - ひまわり法務FP事務所 代表者/有限会社向日葵総合事務所 代表取締役。
行政書士として10年、ファイナンシャルプランナーとして8年。
相続、遺言、後見、離婚、民事法務、住宅ローン、保険の見直し、確定拠出年金導入サポート、社員教育を専門とし全国各地で講演多数。
短期大学での非常勤講師。二児のママファイナンシャルプランナー。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 中野 庸起子
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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