子育て世代の収入保障保険のライフステージ別の受け取り方
収入保障保険の特長
収入保障保険は、保険加入時が一番手厚い保障となっており、契約終了時に向けて少しずつその保障の合計額が減っていくというものです。保険金の受け取りは年金形式で定額ずつ受け取れるのが特長で、一括でも受け取ることができます。定期保険の変形型で、いわゆる「掛け捨て」保険ですが、保険料は一般的な定期保険よりも安いです。なぜかというと、冒頭でも説明したように定期保険が契約期間終了まで保障が一定額であるのに対し、収入保障保険は保障額が年々減っていくからです。掛け捨て保険なので、中途解約時には支払った保険料はほぼ返ってきません。一般的に夫が万一の時の必要保障額は、子どもが小さいほど多く必要であり、徐々に減っていくと考えられることから、保険料を抑えて効率的に保険を活用できるとして人気のある保険商品です。
それでは、夫が万一の場合の収入保障保険の受け取り方について、ライフステージごとにみていきます。
未就学児~小学生がいる家族
子育て真っ最中に、夫に万一のことがあったら、一番大変なのはこのステージでしょう。一方で、この保険の恩恵を一番受けることのできるステージでもあります。残された妻は、子育てに手がかかり「働く」ことが制限されてしまうことが想定されます。このステージの生活費は、働かずとも入ってくる遺族年金と収入保障保険の定額受取の保険金を合わせた分で賄い、将来子どもたちに必要な教育費は、積立期間が長くとれる分、相続で得た預貯金や働いて得た収入を充てるというマネープランが良いでしょう。
収入保障保険のデメリットとして、年金形式でもらう保険金は雑所得扱いになり、他の収入とあわせて所得税の対象になることが挙げられます。子どもが16歳未満の場合は、現在扶養控除の制度がありませんので、注意が必要です。働いて得た収入とそれに上乗せして保険金の受取分から必要経費等を差し引いたものが所得としてみなされますので、所得によって金額が決まる健康保険料、保育園の保育料、公営住宅の家賃等にも影響が出てきます。また、毎年「確定申告」をする必要があります。
働き方や保険金として定額で受け取る金額によって、税金の支払い等に影響が出るこのステージ。保険金の一部を一括受取にして、年金としての受取金額を減らす、働き方をセーブする等、保険金の受取方法を決めるときは「どのような生活になるか?」をイメージして慎重に選択しましょう。
中学生以上がいる家族
このステージは育ちざかりの子どもを抱え、一番「生活費」にお金がかかります。一方で子どもから手が離れることにより、お母さんの働く時間が増やせます。教育費もどんどんかかりますので、働けるなら収入アップを積極的にしたいものです。子どもが16歳以上になると扶養控除を計算できるようになりますが、多少の税金負担はやむを得ないでしょう。とにかくお金のかかるステージですので、お母さんの働いて得た収入と遺族年金を生活費や月々に必要な学校へのお金に充て、収入保障保険は一括で受け取り、一番お金のかかる大学進学費用に充てるというマネープランが良いでしょう。
このステージになると、夫の死亡年齢によっては、収入保障保険で受け取る保険金が少なくなってきます。一括で保険金を受け取る際には相続税の対象になりますが、非課税枠があります。一括で保険金の受け取りをすると毎年の確定申告がなくなりますので、お母さんが仕事で忙しくなるこのステージには適切な受け取り方といえるかもしれません。
夫に万一のことがあった後の生活については、なかなかイメージが湧きにくいかもしれません。そのようなとき、収入保障保険は保険金の受け取り方を選ぶことができます。メリット・デメリットを十分に理解し、安易に受け取り方を選択しないようにしましょう。本コラムではライフステージごとに見てきましたが、家族ごとにライフプランは違います。収入保障保険の受け取り方は夫亡き後のライフプランをもとに選択し、判断に悩んだら専門家に相談しましょう。
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