生命保険を活用した相続対策
生命保険に加入すれば相続対策になると聞いたことがありますが本当でしょうか?どのようなメリットがありますか?
生命保険を保障としてではなく相続対策として活用できることは本当です。下記3つのケースについてみていきましょう。
1.相続税の納税資金が準備できる
相続税は10ヵ月以内に現金で納付することが原則になっています。現金がなければ、土地や建物を売却してでも納付する必要があります。相続税には物納という税金を物で納める制度もありますが、土地や建物を手放すという点では同じです。生命保険に加入していれば、その保険金を納税に充てることができますので、土地や建物を売却しなくてもすむというメリットがあります。
2.遺産分割でもめないようにすることができる
相続人が多い場合や遺産が分割しにくいような場合に、生命保険を有効に使うことができます。例えば、相続人が4人で遺産が現金4,000万円であれば、単純に1,000万円ずつ分ければ問題はありませんが、現金がなく、4,000万円の土地・建物に以前から長男が住み、家業を継いでいるような場合、他の3人から遺産分割を要求されたら、売却するしかありません。
このような場合、3,000万円の保険金額の生命保険に加入し受取人を長男にしておけば、長男は他の3人に1,000万円ずつ渡せばいいことになります。このように、「相続」を「争続」にしないために、生命保険を活用するメリットがあります。
3.生きているうちに財産を移転することができる
相続財産が多い方向けですが、毎年110万円ずつ子どもや孫に贈与すれば贈与税がかからず相続税の対象となる資産を減らすことができます。金額によっては、相続税の税率が下がることもあります。現金の贈与ですが、贈与を受けた子どもや孫がその現金を保険料に使い保険に加入することによって、老後資金や大きな死亡保障が確保できる等のメリットがあります。
上記3つ以外にも、相続人が死亡保険金を受け取る場合には、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が使えるというメリットもあります。
相続税がかかりそうな方は勿論ですが、そうではない方についても「争続」にならないように、生命保険を活用し相続対策を考えてみましょう。
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コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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