増税で家計負担アップ、いま知りたい家計節約術 ~食費編
消費税とともに物価も上がっている
家計の中で食費に限ってみると、2014年4月の消費税アップに加えて、円安や原材料費の高騰、天候不順による物価高も重なり、家計はどうなるのか不安に思っている方が多いのではないでしょうか。
食卓に並ぶ食材のほぼすべてに消費税がかかるとすると、食費が毎月50,000円の家庭では、消費税8%で単純計算すると、消費税5%のときと比べ、毎月1,500円アップとなっています。年間では、18,000円もアップしています。2017年4月には、消費税がさらに2%アップになる可能性が高くなっていますので、今回のコラムでは、消費増税を前にどのように備えるか、食費にスポットを当ててみていきたいと思います。
購入した食材を無駄にしていないか?
賢く食費を節約するために、まずは、「我が家の食卓はどのような現状なのか」を、分析してみましょう。1カ月で構わないので、どんなものを買い、何を食べたかを記録に残してみましょう。そうすることにより、無駄にしているものがみえてきます。
農林水産省の「食品ロス統計調査(2009年度)」によると、食べられるのに捨ててしまった食品ロス率は、一人当たり1日3.7%であるとのこと。安売りだからと食材をたくさん買っても、腐らせて捨ててしまうと、それにかかったお金が無駄になっているのです。
例えば、10個入り200円の卵を、賞味期限切れで3個捨ててしまった場合、60円を無駄にしたことになります。現在の買い物の仕方を見直し、料理に合った適切な量の食材を購入することを心がけるだけでも、無駄を減らすことができます。
1カ月に食べたもの、買ったものを振り返ってみると無駄なものがみえてくるので、その無駄をなくす仕組みを作れば、今後の消費税アップ分を補えるかもしれません。
便利なものは高くつく
総務省の「家計調査年報(家計収支編)平成25年(2013年)」から、二人以上の勤労世帯(年収566万~714万円)の食料費をみてみると、食料費の中で最も支出が多いのが外食費で、続いて調理食品となっています。日本人の生鮮食品離れが叫ばれていますが、このように、家計調査でも如実に表れています。しかし、この辺りに今後の消費税や物価上昇を乗り切るポイントがありそうです。
まず、外食についてはどうでしょう。価格競争により低価格店が多く、気軽に外食をしてしまってはいませんか?1回の外食の単価が低いため節約しているつもりでも、回数が多くなれば意味がなくなります。
次に、調理食品の一つである、コンビニのお弁当で考えてみましょう。お弁当に入っているご飯とおかずは、消費者の口に入るまでに、多くのコストが上乗せされています。米農家が生産したお米を、農協などの卸業者を経て弁当製造会社が買います。そこで、お米がご飯に加工されお弁当に入ります。出来上がったお弁当は、コンビニに運ばれて店頭に並べられ、ようやく消費者が手に取ることになります。生産者のお米がお弁当のご飯になり、コンビニに並ぶまでの間、業者に買い取られるたびに業者の利益と消費税がかかります。それぞれに運ぶためのコスト、生産から加工に至るまでに関わるたくさんの「人」の人件費も、当然お弁当の価格に上乗せされているのです。
外食や調理食品は、割高であると感じていただけたでしょうか。このように、便利なものは高くつくのです。
消費税アップに負けない賢い消費者になる
増税や物価高による支出増にも負けない、豊かな食卓にするには、どのようにしたらよいのでしょう。まずは、購入する食料品に今一度目を向けてみましょう。原材料に近いほど、価格はより原価に近いものになります。おにぎりは、お米を買って自分で炊飯し手作りする方が、コンビニで買うよりはるかに関わる人や業者が少ないので、コストパフォーマンスがよいことになります。また、家で茶葉からお茶を入れるのと、ペットボトルのお茶を買うのも同じです。
ではなぜ、調理食品や外食にお金をかけてしまうのでしょうか。それは、時間と手間をお金で買っているのです。さらに、天候不順や、為替・原油価格の変動などで価格が左右しがちな生鮮食品を嫌い、多少高くても価格が安定しているものを選択するという傾向もあるでしょう。調理食品や外食にかかるお金が増えると、食費における消費税アップや物価高の影響が大きくなります。時間と手間を生み出すのは、自分次第。そして、自分の手間はタダ。手間をかける時間を作り出すことが、食費削減への近道だと私は思います。
「食べる」ことは、生きる源。過度な節約はストレスを生みます。ただ、使えるお金は限られています。目先のことに右往左往せず、食品ロスを出さないように無駄を省き、コストを意識した有効なお金の使い方をすることが、食費節約の賢い方法だと考えます。収入の範囲内で支出と将来のための貯蓄をするのが、身の丈に合ったお金の使い方。その中でも豊かさを見いだせるよう、まずは食費から変えてみましょう。
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