「家計管理」ってどうすればいいの?「家計簿」ってやっぱりつけるべき?
「主婦向けの家計術セミナー」を開催すると、必ずといってよいほど出てくるのが、「家計簿ってやっぱりつけた方がいいですか?」「みんなはつけているの?」という質問。
また「ちゃんとつけた方がいいと思うのですが、どうも続かなくて~。」というお話もよく伺います。
さて、皆さんは家計簿をつけていますか?
やっぱり「家計簿はつけるべき?」なのでしょうか?
図1はNTTコム リサーチが行った「家計簿に関する調査結果(2013年10月)」です。
資料:NTTコム リサーチ「家計簿に関する調査」結果をもとに執筆者作成
日々使うお金を何らかの形で記録しているという人は、全体の約4割となっています。
実際、主婦向け家計術セミナーなどで「家計簿をつけている方いらっしゃいますか?」という質問をすると、手が上がるのはたいてい2~3割から半分以下というケースがほとんどです。
そしてつけていない人からは、「どんぶり勘定なのでしっかり家計管理しないと!」とか「家計簿をつけなくちゃ。」、また「家計簿にトライしたことはあるけど挫折してしまった。」など、反省の声の方がよく聞かれるように思います。
【1】そもそも家計簿ってなんのためにつけるの?
家計簿は、毎日の支出を記録するためのものでしょうか?
主食の米、副菜の肉や魚、嗜好品、衣類等などを正確に分類して計算した数字と、手元にあるお金を1円違わず完璧に合わせることが家計簿の目的でしょうか?
答えは「ノー」です。
家計簿をつける目的は、正確に数字を合わせるためではありません。振り返ったときにその数字が役に立つことはありますが、もっと大切なのは、「現状の家計を把握すること」です。
家計簿は、家計状況をチェックし、良くないと思ったところがあれば、今後、改善していくためにつけるのです。
なかには家計簿をつけなくても、お金をしっかり管理できているという人もいます。
「毎月○円お金を下ろして、食費に○円、衣服代に○円、医療費に○円……散髪代に○円等、数字はしっかり頭に入っているし、毎月○円を貯蓄しています。」などと、スラスラと話せるならば、家計簿は必要なさそうですね。
結論を言うと、「完璧な家計簿なんてつけなくてもいい!」と私は思います。
ただ、将来の資金計画を立てたり、計画的に貯蓄したりするために「家計を管理すること」はやっぱり必要です。
【2】まずは支出の現状を把握しましょう!
いろいろなやり方がありますが、簡単な例として、「レシートを使ってチェックする方法」をご紹介します。
- ① 毎月の支出を項目ごとに把握しましょう。
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食費や生活雑貨などまずは1カ月分のレシートを全部取っておいて、ノートか不要な紙の裏にでも、項目別にペタペタ貼ってみてください。レシートが無いものについては、分かる範囲でふせんなどに記入して一緒に貼るといいですね。
1カ月分貼り付けたら、項目別に集計をしておきましょう。
完璧を目指して気合を入れる必要はありません。細かい端数などは切り捨ててもOKですので、まずは、何にどれくらいを使ったかをざっくり把握しましょう。
- ② 振り返って無駄使いがないか?など問題点を発見しましょう。
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今月のお買い物のレシートを改めて眺めてみて、「買って良かった!」または「買ってみたもののイマイチだった」など、購入後の「自分の満足度」を確認してみましょう。
レシートに○×△など赤ペンでマークしてみるのもおすすめです。この振り返りが今後の無駄遣いの予防にもなります。
レシートをチェックする際は金額だけでなく「いつ何を買ったのか」も思い出してみると、「また同じような安物買いをしてしまった」とか、「野菜を買い込みすぎて使い切れなかった」等、反省点が見つかることもあるかもしれません。
- ③ 今月の反省点を踏まえ、翌月の目標を決めて実践しましょう。
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ひと月のおおよその支出が把握できたら、具体的な予算を立てます。食費、水道光熱費、住居費(家賃)、通信費、生活雑貨、おこづかい等、項目別でもよいですし、1週目、2週目等、期間ごとに分けてもよいです。
「食費にかなり無駄があったので、2,000円は削ろう。」とか、「外食は、2回までにしよう。」など、具体的な目標を立てると取り組みやすいですね。
予算が余ったら、「自分へのご褒美」にしたり、「翌月のお楽しみ代」にプラスしたりするのもOK。節約のがんばりすぎはストレスのもとです。「どうやったら楽しくお金を使うことができるか?」を1番に考えて予算立てしましょう。
【3】自分なりの方法で家計管理を実践してみましょう。
「レシート貼り付け」の他に「袋分け」や「ウォールポケットを使った予算立て」など、記録せずにシンプルに支出を管理する方法はいろいろありますが、きちんと支出入を記録する手段も今はさまざまあります。
図2はNTTコム リサーチが行った「日々使うお金の記録方法」についての調査結果です。
出典:NTTコム リサーチ「家計簿に関する調査」
市販の家計簿の他にも、パソコンのエクセルやノートなどを使ってオリジナルの家計記録を実践している人も多いようです。
最近増えているのは、スマートフォンのアプリで管理する方法です。スマホアプリの魅力は手軽に記録できるという点です。レシートを撮影するだけで記録してくれるものや、家計簿だけでなく資産管理までできるものなどもあります。
ひと口に「家計管理」といっても、いろんな方法がありますね。
「家計簿」という形式にとらわれず、自分が最もやりやすい方法で「家計管理」を実践してみてください。
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コラム執筆者プロフィール
合田 菜実子 (ゴウダ ナミコ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー、キャリアカウンセラー。
消費者向けの家計セミナーやFP資格取得講座等の講師業の他、フリーペーパーやWEBコラム等の執筆や個人相談業務等も行っています。
“お金の知識を分かりやすく楽しく伝える”をモットーに、出会った人々に安心感を与えられるようなファイナンシャルプランナーを目指しています。
ファイナンシャルプランナー 合田 菜実子
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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