相談事例方式:自営業の保険見直し
今回は、自営業を営まれている方で会社員より公的な保障が少ないことを気にされ、万一のときの保障を不安に思われている方の事例をみていきましょう。
ご相談者プロフィール
夫:自営業40歳 妻:パート37歳 子ども:2人(7歳・3歳) お住まい:持ち家
現在の保険加入状況
保険料27,000円/月
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A社定期保険 死亡保障
4,500万円(65歳まで保障・65歳払込終了) -
B社医療保険 医療保障
日額10,000円(終身保障・65歳払込終了)
ご希望
- ・自営業は会社員より公的な保障が少ないと聞いたので、万一のときの保障をきっちり確保したい。
- ・保険料は今後の教育費のことも考え、現状より高くなると負担感があるので、なるべく抑えたい。
- ・医療保障は平均寿命が延びていることもあり、一生涯保障で日額10,000円は確保したい。
- ・仕事ができない状態になったときの保障を検討したい。
- ・保険料が高くならないようであれば、がんや介護リスクにも備えたい。
見直しのポイント:現状とご希望のギャップ
- ・子どもが大きくなるに従い必要な死亡保障額は減少するので、この考えに基づいた死亡保険を選択する。
- ・介護障害状態や就労不能へのリスク対策を検討する。
- ・がん保障が手薄なため、新規でがん保険への加入を検討する。
- ・これから教育費にお金がかかるため、ご希望は満たしつつ保険料負担を大きくしない。
解決策
- ① 自営業の方は会社員より遺族年金が少なくなることを考慮し、必要な死亡保障額を計算すると現在の4,500万円は妥当な金額になります。しかし、子どもが大きくなるにつれて必要な死亡保障額は減少しますので、現在のような死亡保障が一定の保険ではなく、少しずつ保障額が減少していく収入保障保険が合っています。また、タバコを吸わず健康体で、かつゴールド免許の方は保険料を安くすることができます。
- ② 介護・障害状態への備えとして、死亡や高度障害に加えて介護保障年金や障害保障年金を毎月受け取ることができる収入保障保険をおすすめします。一般の収入保障保険より保険料は高くなりますが、その分保障が手厚いので自営業の方には適しています。
- ③ 自営業の方は病気等で働くことができなくなると、収入がなくなりますので大きなリスクがあります。保険料を抑え、このリスクに備えるため、就労不能サポートがついた医療保険が適しています。五大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中・肝硬変・慢性腎不全)で仕事ができない状態になったときの保障で検討しています。
- ④ 医療保障は上記の就労不能保障がつき、一生涯保障が得られ保険料の支払いは65歳で終了する医療保険で検討してみました。放射線治療を受けたときの保障もついているので、安心感があります。
- ⑤ がん治療での入院日数短期化という医療の現状に合わせて、がん初回診断一時金・がん治療給付金があり、通院保障もついている手厚いがん保険で検討してみました。
ご提案保険内容
保険料約26,000円/月
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死亡保障
C社収入保障保険 保険料約8,400円/月(非喫煙者優良体)
死亡保険金15万円/月
受取金額15万円×満期期間までの月数(25年満了の場合は最大25年) -
介護障害状態保障
上記のC社収入保障保険で保障
保険期間・払込期間共に25年満了
要介護状態が180日以上継続している場合は、介護保障年金15万円/月
特定障害状態になった場合は、障害保障年金15万円/月 -
医療保障
D社医療保険 保険料約9,000円/月
保険期間 終身
日額10,000円(60歳払込終了・一生涯保障) -
就労不能保障
上記D社医療保険で保障
就業不能給付金100万円 -
がん保障
E社がん保険 保険料約8,600円/月
がん初回診断一時金150万円・がん治療給付金75万円
入院日額15,000円・通院日額10,000円
先進医療2,000万円
保険料を抑えつつ相談者のご希望を満たす提案ができました。自営業の方は会社員の方より公的な保障が期待できませんので、リスク対策は民間の保険に頼ることになります。また、入院して仕事ができない状態になると収入が落ち込みますので、落ち込み分を少し考慮した案と考えられます。
毎月26,000円の保険料ですが、現在より保険料が少し下がり、かつ保障が手厚くなりましたので、ご相談者に満足していただけるものと思います。自営業の方は、「万一のことは心配だけど普段忙しいので保険を見直したことがない」という方が多いです。後悔のないように一度お時間を取って、ご相談されることをおすすめします。
(注)保険料等の数字はあくまでも概算数字ですので、実際の保険料とは違う場合があります。
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コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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