増税で家計負担アップ 「わが家の通信費を見直してみよう!」
家計支出に占める割合が増え続けている「通信費」。消費税アップにより、さらに負担が大きくなっています。
例えば、増税前で月21,000円(税込)通信費がかかっていたご家庭の場合、消費税3%分で月々600円アップの21,600円、年間で考えると7,200円の支出増となります。
最近は家族それぞれがスマートフォンを持つというご家庭も増えています。大手携帯会社のスマートフォンの料金プランの月額利用料は5,000~6,000円が一般的なので、4人家族だと、単純に計算しても月々20,000円超。インターネットプロバイダ料金や、固定電話、ケーブルテレビ受信料等の通信費もプラスすると、月々通信費だけで3万円を超えるケースも少なくありません。年間で考えると36万円以上ですので、かなり大きな支出です。
下記は、NTTコムリサーチが行った調査結果です。スマートフォンまたはタブレットの料金に対して、8割以上の人が「高いと感じている」と回答しています。
調査期間:平成25年11月27日(水)~平成25年11月30日(土)
保有端末:スマートフォンまたはタブレット(AndroidとiOSのみ)
出典:NTTコム「スマートフォンのデータ通信量と月額料金」に関する調査結果
ひと昔前ならば「携帯電話やスマートフォンを持たない」という選択肢も考えられましたが、公衆電話の数が減り、待ち合わせにも携帯でのやりとりが当たり前、子どもの学校や地域の連絡網もメールやSMS(Cメール)で届く時代となり、携帯やスマートフォンは私たちの生活に欠かせないものとなりました。
持たずにいられないならば、これからは「携帯電話等の通信機器と上手につきあう方法」を考える方が良さそうですね。
通信費の節約について考えてみましょう
①それぞれが本当に必要なものか、検証してみましょう。
まずは、携帯電話(スマートフォン)、インターネットプロバイダ、固定電話、ケーブルテレビ等の月々の通信費をリストアップしてみましょう。
【スマノさん宅のケース】
会社 | 個数 | 通信費 (月概算) |
年間料金 | 詳細 | |
---|---|---|---|---|---|
携帯電話(スマートフォン) | A社 | 4台 | 28,184円 | 338,208円 | 父・母・長女・長男 家族割引適用 |
インターネットプロバイダ | B社 | 1契約 | 4,320円 | 51,840円 | 1ギガコース |
固定電話(光電話) | B社 | 1台 | 1,388円 | 16,656円 | ルーター等機器代/通話料(1,000円)含む |
ケーブルテレビ | B社 | 1契約 | 2,778円 | 33,336円 | ベーシックコース※ |
合計 | 36,670円 | 440,040円 |
※ベーシックコースは61チャンネル視聴可能プラン(NHK受信料は含まない)
(2014年7月現在)
資料:携帯電話会社およびインターネットプロバイダのホームページをもとに執筆者作成
改めて書き出してみていかがでしたか?合計して「こんなに通信費がかかっていたのか?」と、びっくりされる方もいらっしゃるかもしれません。
これらは全て必要なものですか?
②ムダを省き、支払い料金を下げる方法が無いか検証してみましょう。
- プランの見直しをする。
- 家族割引等、割引サービスに漏れがないか?使っている頻度やボリュームに適したプランになっているか?最近は価格競争も激化し、新しい料金プランや割引サービスを提供しているところもありますので、契約中の通信会社に確認してみると良いでしょう。
- 使っていないアプリやオプションサービスがないかを確認する。
- インストールした有料アプリケーションは、アンインストールしても、契約は解除されず課金され続けている可能性があります。契約時に「○カ月間は無料」といった形で申し込んだオプションサービス等は、使っていなくても料金を払っている可能性もありますので注意してください。
- 通信会社同士の相性を確認する。
- 携帯会社とインターネットプロバイダの会社等が提携して割引サービスを実施しているところもあります。申し込みをしないと割引の対象にならない場合もありますので、ご確認ください。
- 通話が多い場合は対策を考える。
- スマートフォン等の通話料金が多くかかる場合、別に通話専用の携帯電話を持った方がトータル通信料を下げられる可能性があります。
また、「LINE」や「スカイプ」等の無料通話アプリを利用したり、通話のかけ放題プランに変更したりすることにより、通信料を下げられることがあります。 - 「テザリング機能」を活用する。
- スマートフォン等に「テザリング機能」がついていれば、固定回線やプロバイダとの契約をしなくても、自宅のパソコンでインターネットに接続することが可能です。
- 「格安スマートフォン」を利用する。
- 最近は、自前の回線を持たずにお手頃価格なサービスを提供する通信会社(MVNO=仮想移動体通信事業者)の「格安スマートフォン」を利用する人が増えています。
また、総務省は、携帯電話会社が他社の通信サービスを利用できないように制限をかける「SIMロック」の解除を2015年以降義務付けると発表しました(平成26年7月14日)。これにより、将来的には、使用中の携帯端末を持ったまま格安通信会社等に簡単に乗り換えをすることができるようになりそうです。
携帯電話が身近になって20数年。「通信機器」の進化とともに「通信費事情」もどんどん変化しています。常に最新を追いかける必要はありませんが、時代から取り残されてしまうと損をしてしまう可能性もあります。
まずは、みなさんのご家庭の通信費事情をチェックし、「本当に必要なものは何か?」を見極め、ムダを省くところから取り組んでみてくださいね。
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コラム執筆者プロフィール
合田 菜実子 (ゴウダ ナミコ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー、キャリアカウンセラー。
消費者向けの家計セミナーやFP資格取得講座等の講師業の他、フリーペーパーやWEBコラム等の執筆や個人相談業務等も行っています。
“お金の知識を分かりやすく楽しく伝える”をモットーに、出会った人々に安心感を与えられるようなファイナンシャルプランナーを目指しています。
ファイナンシャルプランナー 合田 菜実子
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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