留学保険としてクレジットカード付帯の海外旅行保険は使える？

海外留学中の病気やケガなど、もしものときに備えて留学保険を契約しておくと安心ですが、保険料のことを考えると、手軽に補償を得られるクレジットカード付帯の海外旅行保険が気になりますよね。

クレジットカード付帯の海外旅行保険は、留学に適しているのでしょうか？今回は、留学保険としてクレジットカード付帯の海外旅行保険が使えるのかどうか解説します。

留学生に対する補償が充実した留学保険

留学保険とは、海外留学中に病気やケガをしたときの治療費用、賠償責任、携行品損害などを補償する保険です。

海外では治療費が高額になりがちです。また、思いがけないトラブルに遭ったときの費用面をカバーするために、留学保険を契約しておくと安心です。海外旅行保険も、商品によっては留学に対応できそうなものがあります。保険を選ぶ際に確認しておきたい点は、日常生活に関わる補償があるかどうかです。

留学保険は留学生向けの補償が充実しています。海外旅行保険になくて留学保険にあるものが「歯科治療費用」と「生活用動産」に対する補償です。

生活用動産の補償は、留学先で家財や携行品が盗難・破損などにより損害を受けた場合に対象となります。

海外旅行保険では備えられない部分にも対応しているのが留学保険なのです。

クレジットカード付帯の海外旅行保険とはどんな保険？

海外旅行保険とは、海外旅行中に病気やケガをしたときの治療費用、賠償責任、携行品損害などを補償する保険です。

この海外旅行保険がクレジットカードに付帯されていることがあります。これが「クレジットカード付帯の海外旅行保険」です。

クレジットカード付帯の海外旅行保険には、2種類の付帯条件「自動付帯」と「利用付帯」があります。

2種類の付帯条件

資料：執筆者作成

クレジットカード付帯の海外旅行保険の補償内容は、傷害死亡・後遺障害、傷害治療費用、賠償責任、携行品損害などがあります。なお、クレジットカード会社によって補償内容は異なります。

クレジットカード付帯の海外旅行保険は長期の海外留学に使える？

クレジットカード付帯の海外旅行保険は、付帯条件を満たせば利用でき、保険料を払う必要もないので、費用を抑えて海外留学しようと考える人に向いていると思われるかもしれません。

しかし、次のような理由から、クレジットカード付帯の海外旅行保険は、長期の海外留学には向いていないと考えられます。

保険会社の海外旅行保険や留学保険と比較すると、クレジットカード付帯の海外旅行保険は、補償限度額が低く設定されているものが多いです。

海外の病院で治療を受けると、日本に比べて医療費は高額になりがちです。その点を考えると、クレジットカード付帯の海外旅行保険では不安が残るかもしれません。

また、クレジットカード付帯の海外旅行保険の補償期間は、最長3カ月または90日間というものが多いです。短期の海外留学であれば対応できそうですが、長期の海外留学では補償が受けられなくなってしまいます。

さらに留意しておきたい点は、クレジットカード付帯の海外旅行保険は、海外の病院で治療を受けたとき、医療費の立て替えが必要な場合があることです。高額な医療費を立て替えるとなると、留学中の暮らしに影響が出てくるかもしれません。

留学先の生活パターンに合った保険を選ぼう

短期の海外留学であれば、補償限度額や補償内容の検討は必要ですが、クレジットカード付帯の海外旅行保険で備えられるかもしれません。

しかし長期の海外留学では、補償内容や補償限度額、補償期間を考えると、留学保険を契約した方が十分な補償を得られます。

留学保険を選ぶ際は、補償内容など細かい部分をチェックした上で、留学先の生活パターンに合った保険を選択してくださいね。

執筆者プロフィール

前佛 朋子ゼンブツ トモコ

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®

東京都世田谷区在住。元々はライターだったが専門分野を持とうと考え、興味のあったファイナンシャル・プランナーの資格を取得。WEBコラムやメルマガなど金融関連記事を執筆するかたわら、家計見直しやライフプランなど相談業務を行う。保険や金融商品を売らないファイナンシャル・プランナーとして活動中。
家計コンサルティングZEN 代表

• ※ この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
• ※ 掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
• ※ 掲載日は2023年5月26日です。