バイク保険の相談事例 その2(小型・中型・大型バイク)
自動車ではなく50cc以上の小型バイクや中型バイク、さらには大型バイクを移動手段とされている方もおられるでしょう。バイクは自動車と比べると小回りが利くだけに、自動車とは違ったリスクもあります。
小型バイクや中型バイクなどを利用される場合には、具体的にどのような補償が必要でしょうか?
今回は、原付バイク以外の小型・中型・大型バイクに関する保険のご相談事例をみていきましょう。
ご相談者プロフィール
夫:会社員45歳 妻:パート45歳 子ども:長男(8歳)、長女(5歳)お住まい:持ち家
現在のバイクの保険加入状況
今後、中型バイクを購入する予定なので、購入時に保険に加入する。
ご相談内容
- ・夫が普通二輪免許を取得したのに伴い、250㏄の中型バイクを購入する予定。
- ・現在、自動車も保有しているが、中型バイクを購入後も保有し続ける予定でいる。
- ・以前は、原付バイクを利用していたが中型バイクに変更することで、具体的にどのような補償が必要になってくるのかを相談したい。
検討のポイント
- ・自動車で事故を起こした場合と同じぐらいの補償を備えておく必要があります。さらに、運転者自身を守る補償も必要です。
バイク(二輪車)は自動車と比べると車体が小さいため、事故を起こしにくい、あるいは、事故が起きた場合でも損害の程度が軽いと思われがちです。ところが、車体が小さいがゆえに、自動車と比べると次のような事故も起こりやすいと言えます。
- ・交差点で右折する自動車と、反対車線から直進してきたバイクとの衝突
- ・交差点で左折する自動車が、後ろから来たバイクを巻き込む
- ・わき道から出てきた自動車と、直進バイクとの出会い頭の衝突
などの事故です。
また、制限時速(法定速度)も原付バイクとは違い、自動車と同じですので、事故を起こしてしまった場合、事故の規模は自動車と同じぐらいになりやすいです。さらに、バイクの場合はヘルメットをかぶっているとはいえ、車体に運転者や同乗者を守るエアバッグなどがありません。そのため、事故により運転者や同乗者の転倒なども起こり得ることを考え、運転者や同乗者を守る補償も必要です。
強制保険である自賠責保険は対人賠償のみとなっており、補償額も死亡時は1人当たり3,000万円を限度額とする補償内容となっています。対物賠償などはありませんので、大きな事故を起こしてしまうと、自賠責保険だけでは不十分と言えるでしょう。
具体的な提案
対人賠償や対物賠償などの補償額は、自動車保険に加入される場合と同じような考えでご加入ください(対人・対物補償を無制限にするなど)。
また、バイクの場合は運転者または同乗者のケガや死亡などのリスクも高くなることから、搭乗者傷害保険も忘れずに加入しておきましょう。
表 バイク用の任意保険(一例)
※保険会社によって補償内容は異なります。
(※)バイクを運転中の車との事故において、相手の自動車の修理費が時価額を上回る場合、修理費から時価額を差し引いた額について、過失割合に応じて50万円などを限度として補償。
資料:執筆者作成
今回のご相談者の場合、バイクでの事故のリスクを理解した上で、下記の補償内容で加入されました。年間の保険料は約5万円弱になり、当初はもう少し安くしたいと考えておられましたが、万一のことを考えると、この保険料は“安心への対価”だと理解されました。
契約者条件
- ・排気量:125cc超250cc以下
- ・使用目的:通勤通学使用(片道10km未満)
- ・運転者年齢条件:30歳以上のみ補償
- ・運転免許証の色:ブルー
補償内容
- ・対人賠償保険:無制限
- ・対物賠償保険:無制限
- ・搭乗者傷害保険:500万円(1名につき)
- ・人身傷害保険:3,000万円(1名につき)
冒頭でも述べましたが、小型や中型・大型バイクの場合、万一、事故が起きた場合の被害は自動車と同じぐらいになると考えられます。したがって、保険を選ぶ際は、その部分も考慮して補償内容を選ぶようにしましょう。
参考:125㏄以下のバイクの場合
今回のご相談者のケースでは250㏄のバイクですので対象外になりますが、125㏄以下のバイクの場合であれば、同居のご家族が加入している任意の自動車保険に、「ファミリーバイク特約」を付帯して補償を備えることも一つの方法です。
ファミリーバイク特約の保険料は、加入している自動車保険によって異なりますが、別途、バイク保険に加入する場合よりも安くなるケースもあります。
補償内容は、契約中の任意の自動車保険に準拠しますが、搭乗者傷害保険は補償の対象外となっているのが一般的ですし、人身傷害補償がない商品もあるので注意が必要です。
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コラム執筆者プロフィール
岡田 佳久 (オカダ ヨシヒサ) マイアドバイザー.jp®登録 - 大学卒業後、商社勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして開業。
現在は、ファイナンシャルプランナー(CFP®)、キャリアカウンセラー(CDA)として高校生と大学生向けの金銭教育やキャリア教育、社会人を対象とした“お金”と“働く”に関する講演業務、雑誌などへの一般向けマネーコラムなどで活躍中。
ファイナンシャルプランナー 岡田 佳久
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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