バイク保険の相談事例 その1(原付バイク:総排気量50㏄以下)
皆さまのなかにも、原付バイクを利用されている方は多いのではないでしょうか?
原付バイクは手軽に移動できる手段ですが、自動車事故と同じぐらいの損害賠償請求が発生する可能性も考えられますので、事故を起こしてしまった場合のために備えを行っておく必要があります。
今回は、原付バイクに関する保険のご相談事例をみていきましょう。
ご相談者プロフィール
夫:会社員35歳 妻:パート33歳 子ども:なし お住まい:賃貸
現在の原付バイクの保険加入状況
自賠責保険(強制保険)のみ
ご相談内容
- ・奥さまが移動手段として総排気量50ccの原付バイクを利用している。
- ・原付バイクを運転中に自動車や自転車と事故を起こしそうになった経験が何度かある。また、最近、友人が原付バイクで事故を起こしたことから、原付バイクで事故を起こしたときの補償を考えるようになった。
- ・現在は、自賠責保険のみの加入であり、万一のときは自賠責保険だけでは不安だと思うようになったので、原付バイクの保険について相談したい。
検討のポイント
- ・原付バイクで事故を起こした場合でも、自動車事故と同じぐらいの損害賠償請求が発生する可能性も考えられますので、万一のときのための備えが必要です。
- ・原付バイクの場合、ご相談者のように自賠責保険(強制保険)のみに加入しているケースも多いです。しかし、自賠責保険では最低限の対人賠償のみの補償となっており、大きな事故を起こしてしまうと、自賠責保険だけでは不十分と言えるでしょう。
表1 自賠責保険(強制保険)の補償内容
資料:執筆者作成
具体的な提案
原付バイクの場合でも、自賠責保険のみの備えでは万一の場合には十分でないことも予測されます。したがって、下記のいずれかを選択し、自賠責保険の上乗せの補償を備えるようにしてください。
- (1)別途、任意保険に加入する
- (2)「ファミリーバイク特約」をつける
(1)別途、任意保険に加入する
各損害保険会社では、自賠責保険の上乗せとしてバイク用の任意保険を販売しています。
表2は、バイク用の任意保険の一例です。
表2 バイク用の任意保険(一例)
※保険会社によって補償内容は異なります。
(※)車対車の事故において、相手の自動車の修理費が時価額を上回る場合、修理費から時価額を差し引いた額について、上限額(50万円など)から過失割合に応じて補償。
資料:執筆者作成
(2)ファミリーバイク特約をつける
原付バイクを含む125cc以下のバイクであれば、同居家族の方が加入している任意の自動車保険にファミリーバイク特約をセットすることで、自賠責保険の上乗せの補償を備えることができます。
ファミリーバイク特約の要件
- ・同居家族が任意の自動車保険に加入していること
- ・総排気量125cc以下のバイクであること
補償内容は、契約中の任意の自動車保険に準拠しますが、搭乗者傷害保険は補償の対象外となっているのが一般的です。
なお、ファミリーバイク特約の保険料は加入している自動車保険によって異なります。
(1)のケースで加入するよりも保険料が安くなるケースもあります。
ファミリーバイク特約の保険料の詳細につきましては、加入されている自動車保険の損害保険会社へお問い合わせください。
今回のご相談者の場合、夫が任意の自動車保険に加入しているため、ファミリーバイク特約で自賠責保険の上乗せの補償を備えることにしました。
今回のご相談者のように、原付バイクを利用されている方のなかには、自賠責保険のみに加入されている方もおられますが、万一のことを考えて、任意のバイク保険もご検討ください。
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コラム執筆者プロフィール
岡田 佳久 (オカダ ヨシヒサ) マイアドバイザー.jp®登録 - 大学卒業後、商社勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして開業。
現在は、ファイナンシャルプランナー(CFP®)、キャリアカウンセラー(CDA)として高校生と大学生向けの金銭教育やキャリア教育、社会人を対象とした“お金”と“働く”に関する講演業務、雑誌などへの一般向けマネーコラムなどで活躍中。
ファイナンシャルプランナー 岡田 佳久
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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