地震保険に少しでもオトクに加入するには?
1995年の阪神淡路大震災のときは、世帯加入率が9%しかなかった地震保険(※)。その後、必要性が認知され、世帯加入率は上昇の一途をたどり、2010年度末には23.7%となりました(※)。その直後に起きた平成23年の東日本大震災では、東北だけでなく、関東・甲信越・中部地方など広い範囲で、合計で約1.2兆円以上もの保険金が支払われ、多くの人が「地震保険に入っておいてよかった」と思ったのではないでしょうか。
(※)データ引用元:日本損害保険協会
「東日本大震災に係る地震保険の支払件数、
金額について」(2012年5月31日時点)
・「地震保険都道府県別世帯加入率の推移」より
しかし一方で、地震保険は火災保険とセットで加入しなければならず、合計すると保険料がとても高く感じられ、加入をためらっている人が少なくありません。
ただ、被災後の生活再建をするための資金に不安がある方は、地震保険への加入を検討した方がよいかもしれません。その場合、地震保険の保険料がどのように決められているのか、またオトクに加入する方法はないのかを知っておいた方が得策です。
1. 地震保険料は、住んでいる地域と建物構造で決まる
一般的に生命保険や火災保険等の保険料は、同じ補償内容であっても取り扱う保険会社によって異なります。しかし、国と損害保険会社が共同で運営している地震保険については、原則どこの保険会社で加入しても保険料と補償内容は一律となっています。
地震保険料は、次の表1のように住んでいる地域と対象の建物の構造で決まっています。
※資料)財務省ホームページよりデータ抜粋のうえ、筆者作成(平成25年2月時点)
過去の地震データから算出された、地震の被害予想度合いや発生頻度等から保険料が決められています。つまり、地震が起きると火災の被害が広がりそうな人口密集地帯、また地震発生率の高い地域等は、他地域に比べ高めに設定されており、燃えやすく火災被害が大きくなる木造住宅(耐火建築物・準耐火建築物・省令準耐火建物を除く)は、非木造住宅に比べ2倍前後の金額に設定されているのです。
例えば、東京都で非木造タイプに住んでいる方が保険金額1,000万円で契約する地震保険料は、年間16,900円。火災保険と合計すると、結構な負担になってしまいます。少しでも負担を軽くすることはできないのでしょうか?
2. オトクに加入する方法はあるの?
地震保険には表2にあげる4種類の割引制度があり、加入の際には該当するものがないか、必ずチェックをしましょう。
※資料)財務省ホームページより
また、長期割引を利用するのもひとつの手段。数年単位で、契約するとオトクに加入することができます。たとえば1年契約で年間16,900円の場合、5年契約にすると75,200円となり、毎年更新するよりも9,300円も節約できます(※)。
(※)平成25年3月試算時
そして、すでに加入している方は現在、加入している地震保険と火災保険の補償が、必要としている内容になっているかをチェックしましょう。建物や家財の価値以上にかけていないか等、ムダに保険をかけていないかを見直してください。勧められるがままに加入していると、必要以上にかけているケースが意外と多いものです。
万一のために必要な火災保険と、地震保険。上手に保険料をコントロールして、賢く安心の補償を備えましょう。
-
コラム執筆者プロフィール
鈴木 さや子 (スズキ サヤコ) - CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/DCプランナー1級/キャリアコンサルタント(国家資格)
家族が笑顔になれるための生活に役立つお金の知識を、主に女性向けに、セミナーやコラム記事などを通じて情報発信。保険などの商品を一切販売しないファイナンシャルプランナーとして活動中。専門は教育費・ライフプラン・保険・マネー&キャリア教育・確定拠出年金。企業講演の他、小・中学校や地域コミュニティなどでの講演やワークショップなど、保護者や親子向けイベントも行っている。中学生・高校生の母。
(株)ライフヴェーラ代表取締役/mamaTanoマネーサロン代表
ファイナンシャルプランナー 鈴木 さや子
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。