相談事例方式:少額短期保険・地震補償保険への加入
今回は、既に地震保険へ加入しているが、東日本大震災が起こってから地震へのさらなる備えや対策を真剣に考え始めた方の事例をみていきましょう。
ご相談者プロフィール
夫:40歳 会社員 妻:38歳 パート 子ども2人 お住まい:持ち家(戸建て・木造)
現在の保険加入状況
A社火災保険+地震保険 約630,000円
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火災保険
建物 1,400万円 (35年補償、保険料一括支払)
家財 500万円 (35年補償、保険料一括支払) -
地震保険
建物 700万円 (5年補償、保険料一括支払)
家財 250万円 (5年補償、保険料一括支払)
ご希望
- ・地震保険の補償が火災保険の補償の半分しかないことを再認識し、不安なので地震への補償を増額したい。
- ・30年以内に70%程度の確率で、南海トラフ地震が起こる可能性が高いと言われており、大阪在住でとにかく不安なので、地震への補償をしっかりつけて安心したい。
- ・お給料が上がらずこれから子どもにお金がかかる状況なので、毎月の保険料はなるべく抑えたい。
見直しのポイント:現状とご希望のギャップ
- ・通常の地震保険は火災保険の50%までしか補償されないため、補償を増額するため少額短期保険(※)への加入を検討する。
- ・実際に地震が起きた後の生活再建にお金がかかることを考慮した保険を検討する。
- ・保険料負担が重くならないように、保険料と補償のバランスを考える。
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※少額短期保険
2005年5月の保険業法改正により誕生した新しい保険制度です。名前の通り少額(保障(補償)額は1,000万円まで)、短期(1年又は2年更新)の保険の引き受けのみ行います。生命保険・損害保険の垣根を越えてさまざまな保険分野をカバーすることができ、ユニークな保険が多いです。なお、保険会社破綻リスクに備えて契約者を保護する機関、いわゆる「契約者保護機構」はありません。
解決策
- ① 少額短期保険の地震補償保険は、地震保険の補償の上乗せで加入することができるため、新規加入を検討する。
- ② 世帯人数4人に合わせて上限700万円の補償を付けることを検討する。
- ③ 今後教育資金にお金がかかる見込みなので、保険料と補償のバランスを考慮した上で、少額短期保険を選択する。
ご提案保険内容
B社 保険料約2,500円/月
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保険金額
700万円 (大阪府、木造、世帯人数4人)
保険料を抑えつつ相談者のご希望を満たすご提案ができました。一般的に地震への補償は火災保険の50%までしか付けられないため、不安や不満をお持ちの方が多いと思います。万一のときには、仮住まいや家屋の解体除去費用、さらに家電購入費用等がかかり生活を再建するのは大変ですので、きっちりリスク対策を行いましょう。
毎月2,500円の保険料ですが、地震への補償が増額でき、ご相談者の満足度は高かったです。地震補償保険のご検討を機に、長らく見直されていない他の保険も再度検討された方が良いでしょう。ぜひ一度お時間を取ってご相談されることをおすすめします。
(注)保険料等の数字はあくまでも概算数字ですので、実際の保険料とは違う場合があります。
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コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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