親の恩恵を受けよう!
新規で自動車保険に加入すると、原則として6等級からスタートすることになります。
等級という言葉に耳慣れない方のために、少し説明をしておきましょう。
自動車保険における等級は、1~20等級まであります。等級の数字が大きいほど保険料の割引率が大きく、数字が小さいほど割引率が小さくなります(1~3等級は割増となる)。
<等級イメージ>
資料:執筆者作成
つまり、原則として一番割引率が高いのが20等級ということになります。1年間無事故(保険金請求をしない状態)であれば、等級は1等級ずつ上がっていきますが、事故により保険金請求をした場合には、原則として3等級下がることになります。
新規で自動車保険に加入すると、原則として6等級からスタートすることになります。ずっと無事故で一番割引率が大きい20等級になれば、割引率が63%であるのに比べると、新規契約時の6等級の割引率は0%ですので、見積りの際に、保険料が高い・・・という印象を持ってしまうことになるかもしれませんね。
若い年齢層の方が自動車保険の加入を検討する際、親の恩恵を受けることができる場合があるということを、頭の片隅に入れておきましょう。
親の恩恵を受けるといっても、何も親に自動車保険料を払ってもらうということではありません。
もしも、親が優良ドライバーで等級が高い状態で自動車保険に加入している場合、その等級の恩恵にあずかることができる可能性があるのです。
<等級の引き継ぎ>
その一つの方法が、等級の引き継ぎです。等級の引き継ぎとは、例えば、親の自動車保険の等級を同居の子どもが引き継げるというものです。そんなことができるの?と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、場合によってはできるのです。
等級を引き継ぐことができる相手は、「配偶者(内縁含む)」、「同居の子ども」、「同居の親戚」、「配偶者と同居の親族」であり、別居している子どもは対象にはなりませんので注意が必要です。
この等級の引き継ぎ、具体的にはどのような手続きをとればよいのでしょうか。
自動車の名義は、等級を引き継ぐ自動車の記名被保険者(主に自動車保険の対象となる自動車を運転される方)は同居の子どもにし、保険名義も子どもに変更します。
なお、引き継ぐ前の自動車保険の保険期間に合わせる必要があったり、新しく自動車保険の対象となる自動車について制限がある場合もありますので、親の等級を引き継ぎたい旨を、まずは保険会社に相談されることをおススメします。
ここで、ふと疑問に思った方もいらっしゃるでしょう。
親は、どうなるの?親の自動車保険の等級を引き継いで、恩恵を受けたら親はまた6等級からスタートなの?
<セカンドカー割引>
親が引き続き自動車に乗る場合は、セカンドカー割引を利用するのも一案です。
セカンドカー割引とは、言葉通り2台目の自動車が受けられる割引のこと。親が持っている自動車保険の等級が11等級以上であることが必要ですが、その条件に合致した場合、2台目の自動車の記名被保険者(主に自動車保険の対象となる自動車を運転される方)と保険契約の車両所有者(車検証上の所有者)が同居の家族等(※注1)ならば、通常新規加入は6等級からのスタートですが、7等級からスタートすることができます。
※注1 記名被保険者、記名被保険者の配偶者(内縁を含む)、記名被保険者またはその配偶者の同居の親族のいずれか
6等級は、0%の割引率ですが、7等級の割引率はなんと28%!!たった1等級のUPだからと軽視できませんよね。
確かに新規加入時、自動車保険の保険料は高い場合もありますが、高いから加入しないというハイリスクな選択をする前に、使える恩恵をしっかり確認して、リーズナブルに万一の事態に備えておきたいものですね。
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コラム執筆者プロフィール
キムラ ミキ (キムラ ミキ) マイアドバイザー.jp®登録 - 鳥取県立米子東高等学校卒業後、日本社会事業大学 社会福祉学部 福祉計画学科にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP、社会福祉士を取得。大学卒業後、アフラックでの保険営業を経て、株式会社アゼル(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わる。その後FP会社でのスタッフ経験を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー キムラ ミキ
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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