山本 ゆりさんコラム - 第4回
糖尿病予防に。簡単!豆腐ステーキと麦ごはんの献立
めっきり暑くなり、じめじめとした日も増えてきた今日このごろ、糖尿病など大丈夫でしょうか。(そんな時候の挨拶聞いたことない)
あらためまして、今回のテーマは糖尿病です。
なんとなく甘いものを食べすぎたらなりやすい病気だというイメージはありますが、具体的に糖尿病とはどのような状態かということから書きたいと思います。御存じの方も多いと思いますので、その場合は遠慮なく読み飛ばしてください。
ちょっと次の章だけ文章が固くなりますが、また柔らかく戻すんで(高野豆腐か)、気になる方は読んで頂けたらと思います。
そもそも糖尿病とは。
自分なりにできるだけわかりやすい言葉で説明してみますが、簡単にいうと血糖値が高くなる病気のこと。血糖というのは血液中のブドウ糖のことです。ブドウ糖というのは糖質(炭水化物)を食べたあと、体内で消化、分解されたものです。本来そのブドウ糖は、すい臓で作られるインスリンというホルモンにより血液から身体の色々な組織に送り届けられ、エネルギーとして使われるんですが、このインスリンの分泌量が少なかったりうまく機能していなかったりすると、ブドウ糖が血液に残ったままの状態になり、そのまま尿として排出されてしまいます(糖が尿に排出されるので糖尿病)。エネルギーが身体の筋肉や内臓など色々なところに運ばれないため、この状態が長く続くと体が疲れやすくなり、それぞれの臓器に様々な問題がおきてきます。今の説明で全然わからなかった方は、お近くの医師または糖尿病の説明がうまそうな人にご質問くださいね。
糖尿病には大きく分けると1型糖尿病、2型糖尿病があり(それ以外に妊娠糖尿病などもあります)、日本の糖尿病患者の約90%は2型糖尿病で、ストレスや運動不足、食事など生活習慣が原因であることが多いそうです。体質もあるとは思いますが、甘いものに限らずカロリーの摂りすぎ、肥満なども原因です。1型糖尿病は生活習慣とは関係のないものなので、今回のコラムでは2型糖尿病を予防するレシピを書いています。
糖尿病を予防する食材。
糖尿病予防は日々の食事や運動の積み重ねなので、今までのように具体的に「この食材がいい!」とかではないんですが、基本、薄味で野菜が多めのバランスのいい食事です。それ以外ないやろという話で申し訳ないです。
主食はパンよりご飯、白ご飯より玄米がおすすめです。ってどこでも目にする情報なんで、「えー!知らなかった!」って人いないですよね(でもパンって時々無性に食べたくなりません?「そんな時はふすまパンやライ麦パンを」ってよく書いてるけど、そうじゃないんです。私がパンと言えばそれはふわふわの白い食パンとかデニッシュ系のことを申しておるんです。わかってくださいますでしょうか)。
そして食物繊維やミネラルを多く含むきのこ類や海藻類、ビタミン豊富な緑黄色野菜、良質なたんぱく質を含む大豆製品、DHAやEPAが豊富な青魚、あとはカルシウム……ってこれ骨粗しょう症と変わらんやないか!そして第5回・第6回のコラムのテーマである貧血と便秘でも、おそらく同じようなことを書くと思います。貧血の回では突然クロワッサンメインで献立組んでみました、とかなかなかない。結局、健康的な食事はすべてに共通しているんですよね。ただ糖尿病予防に関して特徴を書くとすれば、糖質が少なめでカロリーが控えめという部分なので、そこを重視した献立を紹介します。
レシピを紹介します。
豆腐をメインにして汁物や歯ごたえのある副菜を添えました。
「豆腐ステーキと麦ごはんの定食」
『豆腐ステーキ鶏ひき肉野菜あん』
こんがり焼いた豆腐に野菜をたっぷりのせたボリュームのある1品です。
- 材料(2人分)
- 豆腐(木綿でも絹ごしでも。今回はなんとなく間をとってソフト木綿)…1丁
- ピーマン…2個
- にんじん…1/3本
- もやし…1/4袋
- 鶏ひき肉…80g
- Aしょうゆ…大さじ1と1/2
- Aみりん…大さじ1
- A砂糖…小さじ1
- A塩、こしょう、しょうがのすりおろし…各少々
- A水…120ml
- 水溶き片栗粉(片栗粉小さじ1/2+水大さじ1)…全量
- サラダ油、塩こしょう…各適量
- (1)豆腐は水切りをし、8等分に切る。ピーマン、にんじんは細切りにする。
- (2)フライパンにサラダ油(分量外)を熱してピーマン、にんじん、もやしを炒め、しんなりしたら鶏ひき肉を加えてほぐしながら炒める。(多少固まりがあるぐらいのほうが食べごたえがあっておいしい)Aを入れてにんじんが柔らかくなるまで炒め煮にし、水溶き片栗粉でとろみをつける。
- (3)別のフライパンにオリーブ油(分量外)を熱して豆腐を並べ、全面むきを変えつつこんがりするまで気長に焼き(面倒くさければ上下だけでも)、塩こしょうをふって器に盛る。(2)をかける。
とろみをつける際はいったん火を止め、水溶き片栗粉をもう一度よく混ぜてから全体にまわし入れ、ゴムべらでガーッ!!と混ぜ、混ぜながら再び火にかけてボコボコ煮立てるとうまいこといきます。それでもダマになったらダマを具と思ってお召し上がりください。
『きのこの塩蒸し』
ゆでずに蒸すことで栄養がゆで汁に流れ出るのをふせぎます。塩だけですが、きのこの旨味が出てすごくおいしい。
- 材料(2人分)
- しめじ、えのきだけ…各100g
- A塩…小さじ1/4
- A酒、水…各大さじ1
- (1)しめじとえのきは石突きをとり、ほぐす。
- (2)鍋に入れてAをかけ、蓋をして中火で1分ほどしんなりするまで蒸し焼きにする。
『トマトとチーズのおかかしょうゆサラダ』
クリームチーズにかつお節としょうゆは間違いない味。
- 材料(2人分)
- プチトマト…8個
- ベビーリーフ…適量。ファサッとつかんだだけ
- クリームチーズ…30g(小分けサイズのもの2個)
- Aオリーブ油…大さじ1と1/2
- Aしょうゆ…小さじ1
- A塩…少々
- かつお節…小分けパック1/2袋ぐらい
- (1)トマトは大きければ4つ割、小さければ2つ割にする。チーズは小さい角切りにする。
- (2)器にベビーリーフと(1)を盛り、Aをまわしかけ(混ぜ合わせなくてもそれぞれでかければいいです)、かつお節を散らす。
『わかめと玉ねぎのみそ汁』
血糖値を下げると言われる玉ねぎとわかめを入れました。
- 材料(2人分)
- 玉ねぎ…1/2個
- だし汁…450ml
- 乾燥わかめ…小さじ2
- みそ…大さじ1強
- (1)玉ねぎは薄切りにする。鍋にだし汁とともに入れ、蓋をして中火で柔らかくなるまで3分ほど煮てわかめを加える。
- (2)火を止め、みそを溶き入れる。
『麦ご飯』
麦ご飯用の大麦を買うと裏にたいてい炊き方が載ってるんで、それに合わせてください。
- 材料(2合分)
- 大麦(ここでは胚芽押麦。知らんがな)…45g
- 米…2合
- (1)米はといで炊飯器に入れ、2合の目盛に合わせて水を入れる。
- (2)大麦と、水を90ml入れ、軽くかき混ぜて30分ほど浸けてから普通に炊く。
※大麦用の水は大麦の2倍の量です。(大麦が50gなら水は100ml)
次回は貧血を予防するレシピです。
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PROFILE
山本 ゆり(ヤマモト ユリ)
料理コラムニスト
1986年大阪府生まれ。2児の母。身近な安い食材を使い、誰にでも簡単に作れてお洒落に見えるメニューが、主婦や料理が苦手な方々を中心に高い支持を得ている。「ボケ」と「ツッコミ」を盛り込んだレシピ本「syunkonカフェごはん1~5」や「syunkonカフェごはん レンジで絶品レシピ」(宝島社刊)は、シリーズ累計430万部を超えるベストセラーに。エッセイ本「syunkonカフェ雑記 クリームシチュウはごはんに合うか否かなど」「syunkon日記 スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件」(共に扶桑社刊)も発売中。また、ブログ「含み笑いのカフェごはん『syunkon』」も気まぐれに更新中。
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