山本 ゆりさんコラム - 第1回
がん予防に。簡単!たっぷりキャベツのごま味噌ガーリックスープ
初めまして。山本ゆりと申します。「料理コラムニスト」という自分で勝手に作った肩書きのもと、料理本を出版させて頂いたり、レシピを考案させて頂いてます(ちなみにほぼ誰にも肩書きは浸透してません。「何それ」って聞かれたら恥ずかしくて「なんでもない」って言ってしまうので…)。
普段は濃いめの味でカロリーが高いレシピ、「米!肉!以上!」といった、いわゆる男飯もバンバン紹介していますが、このコラムでは「病気の予防」をテーマにし、いつもよりちょっと体に優しい料理を紹介したいと思います。
食と健康に諸説がありすぎる件
さて、「身体にいい食事、ってなんやろ?」という話なんですが、食と健康に関する本やサイトは星の数ほどあります。添加物や人工甘味料の危険性について書いてあるもの、逆に無添加のほうが危険だと書いてあるもの。三食きちんと取るべきで、朝ごはんは絶対必要よ!という人がいれば、いやいや空腹こそ健康を作るんだぜ、という人もいます。現代人は食べ過ぎ、断食しなはれ、炭水化物は不必要!いやいや現代人は実は栄養不足、もっとお米を食べなさい、サプリメントで補えますよ、待て待てサプリメントは安全かい?水は1日2リットル!水毒をご存知ですか?…様々な説があり、どれも科学的根拠に基づいていて実験結果も出ているってもう、どないやねーん!という話。信じていてもすぐに「新常識」「実は間違っていた!?」と新たな情報が出てきます(えっ?結局、朝の洗顔は水だけでいいん?あかんの?)。
結局のところすべてにおいて「諸説あり」。そして「正解」も人の数だけあるのではないでしょうか。極端な話でいけば、「80年間、毎日砂を食べ続けても超元気でーす!」っていうインド人のおばあさんとかいますしね。
色んなものを偏らずに食べる
そういうわけで「これを食べたら治る!」みたいな食事は無いのですが、これはあながち間違っていないんじゃないかと思うのは、色んなものをまんべんなく適量に食べるということです。例えば「がんにはニンニクが効くってよ!」と、にんにくばかり大量に食べ続けたら当然健康被害が出てきますし、塩分や油分を気にして全く摂取しないのも問題です。
また、楽しく美味しく食べること。あんまりガチガチに決まり事を作ったり考えすぎたりすると料理や食事を楽しむことができなくなってしまいそうなので、このコラムではゆるく気楽に…カロリーや塩分計算をするわけではないけれど、だいたいバランスのいい献立を載せたいと思います。
がんの予防に効果的な食材
第一回目のテーマは「がん」です。がん予防に効果的な食べ物として代表的なのが、免疫力を高める作用、殺菌作用、様々な抗がん作用の成分があるにんにくと、抗がん作用のあるイソチオシアネート、ペルオキシダーゼが含まれるキャベツです(突然難しい単語を用いて専門家みたいなことを言い出してますが、全部資料を参考にした情報です。もう1歩踏み込まれて聞かれると「あわわ…」となります(笑))。そして、にんじんなどの緑黄色野菜と、しょうが、ねぎ、玉ねぎ、きのこ類、食物繊維の多い海藻類、豆類、ごまや海苔、ベリー類…って、このあたりの食材はもう、がんに限らずですけどね。緑黄色野菜のオールマイティ具合ったら。
レシピを紹介します「たっぷりキャベツのごま味噌ガーリックスープ定食」
身体にいい食材であっても、少し珍しいもの(黒砂糖や全粒粉、りんご酢やなんちゃらオイルなど)が出てくると「無いから作れませーん」となるので、そういうものは使わずに、どこにでもある材料だけで考えました。
『たっぷりキャベツのごま味噌ガーリックスープ』
とりあえず上から全部入れてみたよ、という感じのスープ。市販のだしやスープの素を使わず、にんにくと塩で旨味を出します。お肉は取りすぎるとよくないんで、味出し程度に少量入れています。ちょっとでもあるとワーイとなるんで。
- 材料(2人分)
- キャベツ…2~3枚
- にんじん…1/2本
- 玉ねぎ…1/4個
- にんにく…1片
- 豚こま切れ肉…40gぐらい
- A塩…小さじ1/3ぐらい
- A水…500mlぐらい
- A酒…大さじ1ぐらい
- Bみそ、しょうゆ…各小さじ2ぐらい
- B白すりゴマ…大さじ1(なかったらないでいいです)
- B好みでしょうがのすりおろし…少々
- Bオリーブ油またはサラダ油…小さじ2
- (1)キャベツは大きめのざく切り、にんじんは細切り、にんにく、玉ねぎは薄切りにする。
- (2)鍋にAとキャベツ以外の(1)を入れて中火にかけ、にんじんがやわらかくなったらキャベツを加え、ちょっとしんなりしたら豚肉を加え、色が変わるまで煮る。火を止め、Bを加える。
- ★豚こまは煮すぎると固くなるんで最後に加えます。固くても別においしいからいいです。「噛み締めますから!」っていう私みたいな人は最初から煮てもOK。
- ★煮ている間に水がなくなり、ただの煮物になりそうな場合は適当に水を足してください。
2つめは、オマケの副菜『五目豆』です(嘘、昆布がなかったので四目豆です)。
すべての材料を一度に入れてレンジでチンするだけのめちゃくちゃ簡単なレシピ。市販のものより断然甘さ控えめで、歯ごたえも残っておいしいです。
- 材料(作りやすい量。2~3人分くらい)
- にんじん…1/3本(40g)
- こんにゃく…1/4枚
- れんこん…50g
- 大豆の水煮(または蒸し大豆)…100g
- Aしょうゆ…大さじ1
- A砂糖、みりん…各小さじ2 ※砂糖は好みで変更してください
- A水…大さじ4
- (1)にんじん、こんにゃく、れんこんは1cm角に切る(こんにゃくは気になればあく抜きを)。耐熱容器にAとともに入れ、大豆を入れて混ぜる。
- (2)ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600w)で約8分加熱し、よく混ぜて冷ます。
- ★出来立ては味が染みてませんが、一度冷ますとばっちり染みます。
レンジ調理に抵抗がある方は、水の量を100mlにしてすべての材料を鍋に入れ、弱~中火で落とし蓋をして煮汁がほぼなくなるまで、ときどき混ぜながら煮含めれば完成です(水が途中でなくなりかけたら足してください)。
最後にもう1品、『ほうれん草のオイル和え』
レシピというほどでもない、ただ茹でて和えたもんですが、おすすめの副菜です。ほうれん草は緑黄色野菜の中でも特に栄養価が高く、抗酸化作用のあるカロテンが豊富に含まれているので、正常な細胞ががんになるのを防いでくれます。また食物繊維も豊富なので、大腸がん予防にも効果的です。油といっしょに摂ることで吸収率があがるので、茹でてからオリーブ油で和えています。
- 材料(2人分)
- ほうれん草…1/2束(約100g)
- 塩…ひとつまみ
- オリーブ油…大さじ1
- かつお節、しょうゆでもめんつゆでもポン酢でも…各適量
- (1)ほうれん草はよく洗う。鍋に湯をわかして塩を入れ、ほうれん草の根元を入れて20秒ほど、葉まで全部入れて40秒~1分ぐらい茹で、氷水にとる。
- (2)絞って食べやすく切り、オリーブ油で和えて器に盛る。かつお節をのせ、しょうゆなどをかける。
次回は認知症予防にいいとされている食材を使ったレシピを紹介します。
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PROFILE
山本 ゆり(ヤマモト ユリ)
料理コラムニスト
1986年大阪府生まれ。2児の母。身近な安い食材を使い、誰にでも簡単に作れてお洒落に見えるメニューが、主婦や料理が苦手な方々を中心に高い支持を得ている。「ボケ」と「ツッコミ」を盛り込んだレシピ本「syunkonカフェごはん1~5」や「syunkonカフェごはん レンジで絶品レシピ」(宝島社刊)は、シリーズ累計430万部を超えるベストセラーに。エッセイ本「syunkonカフェ雑記 クリームシチュウはごはんに合うか否かなど」「syunkon日記 スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件」(共に扶桑社刊)も発売中。また、ブログ「含み笑いのカフェごはん『syunkon』」も気まぐれに更新中。
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