内藤 あづ紗さんコラム - 第5回
スパイスって面白い!!簡単に料理に取り入れて美味しく元気
今回でコラムも最後になりました。コラム執筆は初めてのチャレンジで、皆さんにお伝えしたいことがたくさんあり、色んなテーマで書かせていただきました。少しでも皆さんにとってプラスになれば嬉しいです。
最後は、私の得意なスパイスのことを取り上げたいと思います(^^)
皆さんは、普段何種類のスパイスを料理で使っていらっしゃいますか?
世界中で使われているハーブ、スパイス類はなんと350~500種類。そのうち日本で使われているものだけでも、100種類以上あります。
これだけたくさん種類があると、どのような時にどんなスパイスを使えば良いか悩みますよね。分かりやすく説明すると、スパイスを使う目的は、大きく分けて4つあります。
- 1.香りを付けたり臭いを消す
- 主に魚や肉などの臭みを抑えます。
- 2.辛味を付けることにより減塩できる
- 食欲が増したり、味を整えたりします。
- 3.色で食欲を出したり彩りを良くする
- 黄色や赤色で色付けします。ターメリック・パプリカ・サフランなど。
- 4.腐敗を防ぐ
- お肉にコショウやオールスパイスを使うのは、そのためとされています。
※オールスパイスとは、シナモン・クローブ・ナツメグを混ぜたような香りのする単体スパイスです。
では、よく使う肉・魚にはどんなスパイスを合わせたらいいでしょうか?
- 牛肉:ブラックペッパー・クローブ・ガーリック・オレガノなど
- 豚肉:スターアニス・山椒・ジンジャー(生姜)・ナツメグ・五香粉・セージなど
※五香粉とは、スターアニス・シナモン・花椒・クローブ・チンピなど、中国でよく使われるブレンドスパイス(チンピは、みかんの皮を乾燥させたもの) - 鶏肉:ホワイトペッパー・ローリエ・パプリカ・タイム・シナモンなど
- 赤身魚:フェンネル・タイム・チリペッパー・ジンジャー(生姜)・ガーリックなど
- 青魚:ガーリック・タイム・セージ・ジンジャー(生姜)・オールスパイスなど
- 白身魚:ジンジャー(生姜)・タイム・フェンネル・チリペッパーなど
スパイスは、なぜ身体にいいのか?
スパイスは、漢方薬でも使われている生薬と同じものが多くあります。生薬とは、植物・動物・鉱物・天然物の中で薬効を持つものをいいます。
特にカレー粉は、漢方薬とよく似ている面白い効果もあります。例えば……
- ・組み合わせでスパイスや生薬を足したような単純な相加効果
- ・何種類かのスパイスを合わせることによって特定の効果が相乗的に高くなる相乗効果
- ・副作用を消す相殺効果
一つのスパイスでは得られないような薬効があるのが、スパイスのブレンド(カレー)の面白さです。
スパイスは季節によって食事に取り入れられて、身体を冷やしたり、温める目的でも使われます。寒さが厳しい冬の時期は、身体を温める効果が得られる使い方をしなければダメですよね。
では、温めるスパイスや食材は何があるのでしょうか?
温めるスパイスは、ジンジャー(生姜)、シナモン、クローブ、レッドペッパーなどがあります。日頃からよく使うのは生姜ですよね。普段は生で使うことが多いと思いますが、加熱や乾燥させて作られたジンジャーパウダーを使うのがおすすめです。加熱や乾燥させることで発生するショウガオールが、血液の流れを良くして、ぽかぽかと身体を温めるとされています。
ただ、風邪をひいた時は生がおすすめで、生の状態に多く含まれるジンゲロールという成分が殺菌効果や免疫機能の向上も助けて、身体も温めてくれます。ぜひ使い分けてみてください。
そして温める食材は、
- 野菜:根菜・芋類・寒い地域で採れる野菜
- 肉:鶏肉・ラム・マトン
- 魚:タイ・ブリ・サバ・アジ・エビ
などがあります。
ちなみに身体が冷えて冷え症になると、
- ・腰や関節に痛みを感じたり血流が悪くなり肌の乾燥がおきやすくなる。
- ・自律神経の乱れ、不眠やイライラなどがおこりやすくなる。
- ・ホルモンバランスが崩れやすくなる。
これらを防ぐためにも、身体を温めることがとても大切です。
そこで今回は、美味しくて身体の中からぽかぽかするレシピをご紹介したいと思います!
「身体ぽかぽか具だくさんスパイシートマトスープ」
- 材料(2人分)
- 鶏肉…150g
- 黄色パプリカ…45g
- チンゲン菜…40g
- しめじ…45g
- かぼちゃ…45g
- ごぼう…20g
- トマト缶(ダイス)…100g
- トマトケチャップ…55g
- にんにく…1片
- ローリエ…1枚
- チキンスープ…300cc
- スパイス※全てパウダー状
- ・クミン…1g
- ・ジンジャー…0.5g
- ・パプリカ…0.4g
- ・タイム…0.3g
- ・チリパウダー…お好みで適量
- ホワイトペッパー…適量
- 塩…適量
- オリーブオイル…適量
- (1)鶏肉・野菜を食べやすい大きさにカット。にんにくは、みじん切りにします。
- (2)鍋にオリーブオイル・にんにく・ローリエを入れ、弱火で炒めます(鶏肉から脂が出ますので、オリーブオイルは少なめに)。
- (3)鶏肉にホワイトペッパー・塩をして、(2)の香りが出てきて少しきつね色になってきたら、鶏肉の皮を下にして加えて炒めます。
- (4)炒めて半分ほど火が通ったら、余分な油を捨てて野菜を加え、野菜がしんなりするまで炒めます(チンゲン菜の葉は、最後に入れます)。
- (5)炒まったら、スパイスと塩を加えて炒め、全体を混ぜます。
- (6)混ざったら、トマト缶・トマトケチャップを加え、少し炒めます。
- (7)チキンスープとチンゲン菜の葉を加えて、味見をしたら出来上がり!
人生100年時代といわれている今、しっかりと健康で長生きできるように、食生活や日々の生活を過ごしていただけたらと思います。
これまでお伝えしてきたレシピは、全て簡単なレシピばかりですので、私のコラムをきっかけにスパイスを身近に感じていただき、ぜひご自身のお料理にも取り入れてみてください。
これからも食を通しての活動をしていきたいと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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PROFILE
内藤 あづ紗(ナイトウ アヅサ)
非日常料理研究家
元フランス料理人。体調を崩したことで自分の身体に関心を持ち、インドの伝承医学アーユルヴェーダを勉強。アーユルヴェーダセラピスト、痩身カウンセラー、野菜ソムリエ、ハーブアドバイザーの資格を取得。いろいろ縁がありスパイスカレーを作ることになる。2017年アジアゴールデンスターアワードを受賞。2018年大阪マリオット都ホテルでシェフセミナーなどを開催。同年7月、大阪の北新地にAZU CURRYを開業。
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