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健康は、食べることから始まる

内藤 あづ紗さんコラム - 第4回

アーユルヴェーダを取り入れて、健康な身体づくりを!

今年の夏は、お盆を過ぎて一度涼しくなりそこからまた少しの間夏に戻ったみたいでしたね。

夏が終わると秋がやって来ますが、毎年秋も長かったり短かったり……

四季も毎年違えばそのダメージを受ける度合いも毎年違います。

例えば、今年はインフルエンザが10月には流行していて、既に学級閉鎖になっているところがいくつもありました。この時期にインフルエンザが流行ったのは、10年前にもあったそうです。

何故この時期に風邪が流行ったのでしょうか?

今回は、アーユルヴェーダから紐解いていきたいと思います。

スパイス国インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」とは、人類最古の体系的な医学でアーユス(生命・寿命)とヴェーダ(科学・真理)という2つの言葉が合わさったものです。

インドでは、長い年月をかけて口伝えされた内容を理解して、さらに自らの経験を通してそれをまた伝え、数千年続けたことで確実なもののみが受け継がれていったといわれています。

アーユルヴェーダでは、宇宙の万物は5つの元素・性質からできていて、空・風・火・水・地の5大元素の理論があり、私達もその5大元素のエネルギーによって支配され行動しているといわれています。

その5大元素エネルギーは、空・風【ヴァータ】、火・水【ピッタ】、水・地【カパ】と3タイプに分けられ、3タイプのバランスがとれている状態が健康であり、バランスが崩れると体調不良になるとアーユルヴェーダでは考えています。

そして、その考えは季節にまつわることもあります。

夏は、火・水のエネルギー【ピッタ】の影響が大きいため、毎日の生活の中で肉体に疲れなどがたまっていきます。

例えば夏ですが、熱く辛いもの・酸味のもの・塩気のあるものが欲しくなりますよね。実はこれは、【ピッタ】=火のエネルギーを増やすことになります。【ピッタ】が増えすぎると、毎日の生活の中で肉体に疲れなどがたまりやすくなります。

なので、秋で【ピッタ】を下げなければいけません。

突然ですが、ここでクイズです(^^)

秋の食材で夏の【ピッタ】から冬の【ヴァータ】になるこの季節にいいものは、何でしょうか(^O^)/

  • 1 さつまいも
  • 2 きのこ
  • 3 柿
  • 4 さんま

正解は……3番の柿です!

柿の中でも渋柿が特に良く、生では渋くて食べられませんが、天日干しにしたりお酒につけたりすると甘い柿に変わります。実は柿って薬膳的に見ると、体を冷やす「寒性」に位置づけられ、秋から冬にかけては風邪の熱冷ましにも利用され、食べやすい干し柿は寒気がし熱が上がるタイミングの時などに良いとされています。

そのため【ピッタ】が増える秋にかけては夏バテしやすいので、【ピッタ】を抑えるためにビタミンC・タンニン・ビタミンBが含まれる柿がおすすめなんですね。

そこで今回のレシピは、柿を使ったサラダをご紹介します。

11月はボージョレ・ヌーボー解禁なので、ワインにも合うものをご用意しました。

「柿とアンディーブとチーズのくるみドレッシングサラダ」

材料(4人分)
柿…1個(種なし柿だと、種を取る手間が省けるので楽ですよ!)
アンディーブ…2個
トレビス…適量
ブラウンマッシュルーム…3個
くるみ…適量
レーズン…適量
チーズ(フルムダンベール、シェーブル、カマンベールなどお好みのもの)…200g
【ドレッシング】
白ワインビネガー…30cc
玉ねぎ(すりおろし)…20g
マスタード…小さじ1
サラダ油…40cc
くるみ油…40cc
塩・コショウ…各適量
  1. (1)くるみをフライパンでから炒りして冷ましておきます。
  2. (2)くるみを冷ましている間に、ドレッシングを作ります。玉ねぎをすりおろします。ボールに白ワインビネガー、マスタード、すりおろした玉ねぎ、塩、コショウを入れて泡だて器で混ぜます。塩が溶けたところで、サラダ油とくるみ油を少しずつ加えながらよく混ぜていきます(チーズの塩分がありますので、塩は控えめでも大丈夫です)。
  3. (3)柿の皮をむき、くし切りまたは拍子切りにします。ボールに入れ、ドレッシングを少し加え混ぜておきます(ドレッシングがなじみ、柿の甘味が出てきます)。
  4. (4)アンディーブは、付け根のところをカットして葉を1枚ずつにします。何枚か重ねて食べやすい大きさに斜めに切ります。ブラウンマッシュルームは、少し厚めにスライスします。くるみとレーズンは、ざく切りにします。トレビスは、1枚ずつはがしたものを食べやすい大きさに切ります。チーズは、食べやすい大きさに切ります。
  5. (5)柿の入ったボールに(4)を入れた後、残りのドレッシングを加えて混ぜ、お皿に盛り付けます。お好みでイタリアンパセリのみじん切りをちらしてください。

完成です(^^)

ワインを飲まれる方は、好みのワインに合わせてチーズを選んでください。

食べやすいチーズは、カマンベールになります。シェーブルはレーズンが合いますので、他のチーズを使う時より少し多くてもいいと思います。

フルムダンベールはブルーチーズに似ていますが、クセが少ないタイプの青カビチーズで、塩分もロックフォールなどに比べると柔らかいので、ドレッシングを作る前に味見してください。

実りの秋の木の実やきのこ、ボージョレ・ヌーボーもあるのでサラダから季節を感じてもらえたらと思います。

ちなみに柿が苦手な方は、ブドウ・リンゴ・栗などでも同様の効果が期待できるので、代用してみてください!

秋から冬にかけては、甘味・苦味・渋みなどをとるようにして【ピッタ】を抑え、その後、寒くなる冬に向けては、しっかりと温めて血流が良くなるスパイスをとって免疫力もアップしていきましょう。

次回でコラムは最終回になります。これまで読んでいただいてありがとうございます。

では次回のコラムでお会いしましょう!

PROFILE

 内藤 あづ紗

内藤 あづ紗(ナイトウ アヅサ)

非日常料理研究家

元フランス料理人。体調を崩したことで自分の身体に関心を持ち、インドの伝承医学アーユルヴェーダを勉強。アーユルヴェーダセラピスト、痩身カウンセラー、野菜ソムリエ、ハーブアドバイザーの資格を取得。いろいろ縁がありスパイスカレーを作ることになる。2017年アジアゴールデンスターアワードを受賞。2018年大阪マリオット都ホテルでシェフセミナーなどを開催。同年7月、大阪の北新地にAZU CURRYを開業。

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