30代半ばの主婦です。ウイルス性肝炎は、…
30代半ばの主婦です。ウイルス性肝炎は、血液感染もあり得ると聞きましたが、普通に生活していてウイルス性肝炎にかかるリスクはどれぐらいあるのでしょうか?(医療関係の仕事はしておりません)。
「ウイルス性肝炎」についてお答えします。
「B型肝炎」「C型肝炎」の感染経路
ウイルス性肝炎を引き起こすウイルスは、A型、B型、C型、D型、E型などがあります。日本人に圧倒的に多いのが、B型肝炎とC型肝炎になりますので、B型肝炎、C型肝炎について述べていきます。
まず、B型肝炎、C型肝炎はどのように感染するのか、一般的な感染経路を紹介しましょう。
- 肝炎ウイルスを含む血液の輸血を過去に受けたことがある
- 肝炎ウイルスに感染している人と注射針を共有した
- 肝炎ウイルス陽性の血液を傷のある手で触ったり、針刺し事故を起こしたりした(特に医療従事者は注意が必要)
- 肝炎ウイルス陽性の人に使った器具を適切な消毒をせずに使いまわしして、入れ墨やピアスの穴あけをした
また、B型肝炎ウイルスでは、以下のような感染経路も考えられます。
- B型肝炎ウイルスに感染している母親から生まれた子に対し、適切な感染予防措置を講じなかった
- B型肝炎患者と性行為を行った
以前は、ウイルス性肝炎の感染は、過去の輸血や注射によるものとされていました。昔は、C型肝炎ウイルスが存在することすら分からない時代もあり、肝炎ウイルスの検査技術が未熟であったためです。血友病など、血液系の病気に用いる血液製剤によって感染してしまうこともありました。しかし、現在は、輸血用の血液、血液製剤は厳しくチェックされており、これらの経路によるウイルス性肝炎の感染はほとんど起きていません。最近増えているのは、性交渉による感染です。B型肝炎ウイルスは非常に強い感染力を持ち、体液で感染することがあります。コンドームによる感染予防が大切になってきます。
「肝炎ウイルス」の正しい知識を持ちましょう
肝炎ウイルス予防では、他人の血液に触れないことが重要になります。くしゃみ、咳、握手や抱擁、食器やコップの共用、入浴、日常の接触では感染はしません。肝炎ウイルスは、空気感染はしません。普通に生活をしていれば、肝炎ウイルスに感染する機会などほとんどないでしょう。知識もなく、肝炎ウイルスを恐れることは、肝炎ウイルス患者さんへの差別につながります。正しい知識を持つことが大切です。
つまり、医療従事者ではなく、ご主人が肝炎ウイルスに感染していないのであれば、ウイルス性肝炎にかかるリスクはどうなのか、と心配することは、「自分はいつか交通事故にあって死ぬのだろうか」と毎日心配することと同じくらい、意味のないことだと思います。
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