ママが働いている間に、子どもが塾やお稽古事に行くようになったときや進学などをきっかけに、子どもに携帯電話・スマートフォンを持たせることを検討される方もいるのではないでしょうか。そのとき気になるのが、子どもに携帯電話・スマートフォンを持たせるときの約束です。今回は、我が家の携帯電話・スマートフォンに関する約束をご紹介します。
子どもの成長に合わせた携帯電話・スマートフォン選びと約束
娘に携帯電話を持たせたきっかけは、筆者が仕事を始め、娘だけでお留守番をするようになったことです。まずは筆者が契約していた携帯電話会社の子ども向け携帯電話を契約しましたが、その後、携帯電話からスマートフォンに変更しました。
- (1)子ども向け携帯電話を選んだ理由と我が家の約束
- 子ども向け携帯電話を選んだ理由は、以下のとおりです。
- ・位置情報で居場所が分かる。
- ・登録してある連絡先にだけ連絡できる。
- ・同一の家族割に加入している家族の通話やメールが無料である。
- ・インターネット閲覧機能がない。
このときの我が家の約束は、「放課後に外出する際はメールする」だけでした。子ども向け携帯電話は登録できる件数が限られていたので、これだけの約束で十分でした。
- (2)スマートフォンに変えたきっかけ
- 筆者のスマートフォンが契約から2年たったときに通信費を見直し、それまでの携帯電話会社から、いわゆる「格安SIM会社」に変えることにしました。娘の安全を考えて、位置情報が分かるオプションサービスを契約していましたが、筆者が携帯電話会社を変えたことで使えなくなりました。そこで、娘にも筆者と同じ格安SIM会社のスマートフォンを持たせることにしました。
- (3)我が家のスマートフォン利用の約束
- スマートフォンは多機能なので約束も変えました。さらに、娘の小学校卒業式の日にSNSアプリケーションで友達を追加可能にした途端、メッセージの通知音や音声通話の着信音が鳴り続け、翌朝にはメッセージの未読件数が300件を超えました。驚くとともに対策が必要だと痛感し、娘と話し合い、中学生になってから約束を追加しました。
表1 我が家のスマートフォン利用の約束
資料:執筆者作成
約束だけではなく親ができる各種設定
子どもは約束していても魔が差すことや、間違えて触ってはいけないと約束していたところを触ってしまうことがあるかもしれません。子どもの安全も気になります。そこで、約束だけではなく、携帯電話・スマートフォンの機能制限の設定も併用しています。
- (1)携帯電話会社のフィルタリングサービス
- 携帯電話会社は、法律により使用者が18歳未満の場合、原則としてフィルタリングサービスを提供しなくてはなりません。フィルタリングサービスとは、子どもの閲覧に適さない有害サイトやアプリケーションへのアクセスを制限するサービスです。小学生・中学生・高校生というように、子どもの年齢に応じたフィルタリングがあります。
- (2)端末やアプリケーションによる制限
- 端末には、ダウンロードできるアプリケーションを制限する設定や、アプリケーション使用の際に制限を設定できるものがあります。設定の変更は筆者だけができるように、設定画面のパスワードを筆者が決めて管理しています。
- (3)子どもの安全を考えたサービス
- 端末には位置情報の機能があり、アプリケーションで確認することができます。また、緊急通報番号に電話をかけた場合、最新の位置情報が送信される機能もあります。
上記の設定やサービスは、基本的に無料で提供されています。我が家ではスマートフォンにしたことで、娘の安全のためにかけていた変更前のオプション料金をかけずに安心できる機能を無料で設定することができました。また、筆者は変更前の端末をそのまま利用し、娘は中古で購入した端末を使い、先述のとおり格安SIM会社に契約を変更したことで毎月の通信費が以前より抑えられました。
資料:執筆者作成
子どもとのコミュニケーションが大切
携帯電話・スマートフォンは、友達とのメッセージのやりとりなどで個人的な情報を扱うことが多いため、子どもにとって「自分のもの」という意識が強いのでしょう。だからこそ約束を取り決め、守らせるためには、家庭内で十分にコミュニケーションを取ることが必要だと感じました。筆者は、以下のような話を娘としています。
- (1)携帯電話・スマートフォンを持たせた目的
- 娘にスマートフォンを持たせた目的は、ゲームや友達とSNSアプリケーションで会話をするためではなく、親との連絡手段ということを理解してもらいました。
- (2)携帯電話・スマートフォンにかかるお金のこと
- 携帯電話・スマートフォンの機種代金は一般的に数万円し、利用料金は毎月数千円かかります。それだけの料金を支払っても娘の安全を守りたいという親の思いを伝えることで、目的をより理解してくれたようです。
- (3)実際のトラブルの事例
- 我が家では、メッセージのやりとりで生じる誤解や、見知らぬ人からの誘いに乗ることの怖さなどを具体的に説明しています。
- 子どもの性格や親の考え方などによって、約束は変わってくるでしょう。親からの一方的な約束ではなく、また、子どもの「みんなはこうしている」という話をうのみにせず、しっかり話し合うことが大切でしょう。