自分が病院に行くときや用事があるときなど、子どもを預ける必要が生じた場合はどうしていますか?家族や親戚など頼れる方が身近にいない・都合がつかないとき、保育園などで預かってくれないかなと考えますよね。また、出産後、落ち着いてから少しずつ働くときに預けたい場合もあるでしょう。そんなときのためのいわゆる「一時保育」について、筆者は夫の仕事都合の引っ越しにより複数の自治体や保育園を利用しましたので、ご紹介します。
※ここでは、認可保育所・認定こども園・地域型保育・認可外保育所を統一して保育園と呼びます。
一時保育はどこが実施しているの?
- 一時保育の実施は、次のようなものがあります。
・自治体主体の一時預かり事業
・認可外保育所の一時保育
・ファミリー・サポート
育休中や幼稚園入園前など家庭で保育している子どもを預かって欲しいときには、自治体主体の「一時預かり」が利用できます。実施している施設はあるのか、お住まいの地域の自治体のホームページなどで調べてみましょう。
一時預かりを利用する条件は?
- (1)どのようなときに利用できるの?
- 次のような場合は自治体が主体となっている一時預かりを利用できます。
・保護者の一時的な労働・職業訓練・就学など
・傷病、介護、冠婚葬祭などの緊急保育
・リフレッシュ目的、育児負担軽減、ボランティア活動など
それぞれ利用を必要とする事由により利用できる期間が定められており、自治体によって異なりますので、お住まいの自治体で調べてみましょう。
筆者が初めて一時保育を利用したのは、出産と夫の転勤を機に退職し1人目の子どもが1歳のときでした。自分が行く病院へ子どもを連れて行けず利用したのですが、緊急の場合以外にも、短期のお仕事やリフレッシュしたいときにも預けられると知り、知人のお仕事のお手伝いをしたときにも利用でき、とても助かりました。
筆者自身、病院などの用事があるときだけ利用するものと思い込んでいましたが、フルタイムで働くことに不安を覚える方が少しずつ働きたい場合にも利用できます。
- (2)利用できる子どもの年齢・曜日や時間
- 保育園(認可外保育所を除く)・幼稚園に入っていない小学校就学前の子どもが利用でき、開始の年齢については、自治体や施設によって異なります。0歳から預けられるところもありますが月齢によって異なり、1歳以降のところもあります。また、実施している曜日や時間も施設によって異なり、土日に対応してくれる園もあります。緊急に利用が必要となった場合、このような場所があると大変助かりますね。
- (3)事前に登録が必要
- 緊急の場合を除き、利用したい施設に事前登録が必要です。窓口は各施設となり、初回利用の前に面談や提出書類がありました。施設によっては申込期限がありますので、余裕をもって登録しておきましょう。
希望日の予約は先着順の施設もありました。予約はいつからできるか確認しておき、早めに事前登録を済ませておきましょう。
認可外保育所で一時保育を利用する
認可外保育所でも一時的に預かってもらえることがあります。理由によらずだれでも利用できるので、普段は保育園に預けている働くママが、休日に一時だけ利用したいという場合も利用しやすいでしょう。ただし、当日にすぐ利用できるとは限りませんので、手続きもあわせて確認しておきましょう。
当日に初めて訪れる施設にいきなり子どもを預けるのは、親子ともに不安なことが多いでしょう。筆者は地元を離れて頼れる家族が近くにいないため、あらかじめ子どもを連れて見学や、園庭の開放などに参加しました。保育園に不明点を質問するなどして、不安要素を減らしておけるといいですね。
一時保育の費用は
具体的な費用は、自治体や保育園によります。自治体主体の一時預かりは、一律で金額を設定しているところもありますが、施設ごとに費用が異なることもあります。年齢が低いほど費用も高く設定されていることもあります。
筆者の子どもたちが利用した施設で比較してみると、おおよそ1日2,000~3,000円ほどかかりました。認可外保育所の費用は施設によりますので、幅があります。筆者の場合は、半年など定期的に通うことで割引が適用されました。
※1年間継続して利用する場合のみ
資料:執筆者作成
保育園により、必要な持ち物が決まっています。半年や1年など定期的に通う場合は購入品があることもありますので、保育園に確認しましょう。
子どもはどんな環境で過ごす?
筆者が利用した保育園では、保育園に入園している子どもたちと同じ部屋で過ごす園もあれば、専用の部屋・専任の保育士がいることもありました。
筆者の子どもは、たくさんの子どもたちを前に泣いてしまいましたが、保育園の先生方はさすがプロです。うまく子どもの興味を引き出し、他の子どもと遊ぶことで楽しい時間を過ごせるように工夫してくれました。園によっては、工作を教えてくれるなど、家ではできない経験ができる点も魅力です。
人数制限で、一時預かりしてもらえない!どうしよう?
予約を取るのが困難な保育園もあり、筆者も6件以上の施設に問い合わせても預け先が見つからず、途方に暮れたことがあります。そんなときは、他にも選択肢はあります。
- (1)ファミリー・サポート・センター事業(ファミサポ)
- 依頼会員(お子さんを預けたい方)と提供会員(お子さんを預かる方)がペアになり、子どもを預かってもらうなどの援助を有償で受けられるものです。料金は自治体によりますが、平日であればおおむね子どもひとり1時間700円からとなっています。
- 依頼会員としての利用には、まずセンターが開催している説明会に出席し、会員登録した後、提供会員との面談などをクリアすれば、預けることができます。利用開始前の手続きに何日か要するため大変でしたが、いざというときに近所に頼れる方がいるというのは、とても心強いものです。
- (2)保育コンシェルジュが頼りになる
- 自治体によって呼び名は違いますが、「保育コンシェルジュ」のような地域の保育事情に精通している利用者支援専門員が相談に乗ってくれることもありますので、困ったらひとりで抱えずに、まず問い合わせてみましょう。
- 筆者の周りの育休中のママに聞くと、自治体の一時預かりは幼稚園入園前などの子どもが集う場であるとの誤解があるようです。しかし、一時預かりは親の負担を少しでも軽減させるための制度です。上手に利用してみてはいかがでしょうか。