最近、急に右あごに激痛が走り、口を閉じる…
最近、急に右あごに激痛が走り、口を閉じることも難しくなったため病院へ行ったところ、「顎関節症(がくかんせつしょう)」だと診断されました。受診したのは口腔外科のある歯医者です。消炎鎮痛剤のみ処方され、具体的な治療方法はうかがえませんでした。右あごだと食べ物をかむこともできず、唇は閉じられても歯をかみ合わせることもできず、日常生活に支障が出てしまっています。
顎関節症は治るのでしょうか?原因はどういったことが考えられるのでしょうか?一度なってしまうと癖(慢性的)になるのでしょうか?教えてください。
「顎関節症」についてお答えします。
「顎関節症」の症状と原因
最近、顎関節症にかかられたということですね。顎関節症の痛みはつらいですよね。
顎関節症は、あごの痛み(顎関節痛)、あごを動かすと音がする(顎関節雑音)、口がうまく開かない(開口障害)といった症状のうち、一つまたはそれ以上があり、ほかに原因となる疾患がないものをいいます。原因としては、いくつもの関与する因子が存在し、それらが合わさって一定以上の負荷がかかったときに発症する、とされています。顎関節症の原因となり得る因子には、次のようなものがあります。
- ブラキシズム
- 歯を食いしばることや、歯をカチカチ鳴らすこと、就寝時などに歯ぎしりをすることを「ブラキシズム」と呼びます。これらは顎関節に非常に負担をかけ、顎関節症の最も大きな原因になるといわれています。力仕事が多い場合、どうしても歯を食いしばることが多くなりますし、日常生活のストレスが強い場合にも、知らず知らずのうちに歯を食いしばったり、睡眠中に歯ぎしりをしたりすることがあります。
- 咀嚼(そしゃく)するときに左右どちらかのあごだけを集中的に使っている
- 片側のあごにだけ強い負担がかかり、これも顎関節症の原因になります。
- かみ合わせの悪さ
- 生来のかみ合わせの問題のほかに、不適切な歯列矯正が原因であることもあります。
- あごやその周囲の筋肉に負担をかける癖
- 頬づえをついたり、うつ伏せで寝たりすることや猫背も原因の一つになり得ます。
これら以外にも、外傷や、口を大きく開けたことが原因になる場合もあります。
「顎関節症」の治療法
治療としては、ブラキシズムやかみ癖、生活習慣などを意識的に改善していくことや、あごの運動療法、物理療法や、「スプリント」という器具の装着などが行われます。また、痛みが強い場合には消炎鎮痛剤を用いたり、筋肉が固まっている場合には筋弛緩剤も使用したりします。夜間の歯ぎしりを抑えるために、睡眠薬を使うこともあります。また、効果が不十分であれば、外科的な治療法が選択されることもあります。
顎関節症の治療期間は、原因や程度によりさまざまです。顎関節症が癖になることに関しては、原因となっている問題を改善しない限り、何度も繰り返すことは十分考えられることです。
先に述べた通り、いくつもの要因が重なり合って発症する病気ですので、一つずつ改善していくことが大切です。どうぞお大事にしてくださいね。
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