ライフステージで選ぶ
離婚したとき
更新日:2023年11月21日
掲載日:2018年2月28日
離婚してシングルマザーになると、「私に何かあったらこの子はどうなるの?」という想いから、とても手厚い保険に入らないといけない気がします。しかし、保障が大きくなれば当然、保険料も高くなります。一馬力で家計を支えるシングルマザーとしては、ちょうどいいサイズの保障を無理のない負担で手に入れることが大切です。今回は、シングルマザーにとって最適な保険の選び方についてお伝えします。
最適な保険選びのためのフローチャートとは?
保険選びは、靴選びに例えられるかもしれません。サイズが小さすぎる靴は履けませんし、大きすぎると脱げてしまいます。保険選びもまったく同じ。自分の家計にぴったりフィットする保険を選ぶことが大切です。では、わが家にフィットする必要な保障額はどうやって確かめればいいのでしょうか?以下の手順で考えてみましょう。
最適な保険選びのためのフローチャート
- 「明日、自分にもしものことが起きたら?」をリアルに想像してみる
- そのとき、子どもにとって必要なお金がいくらかを考える
- 公的にもらえるお金、現在ある貯蓄額を確認
- (2)-(3)で、必要な保障額を計算する
- 自分の家計にとって最適なタイプの保険商品を選ぶ
明日、自分にもしものことが起きたら?
まずは子どもがどこで暮らすことになるのかを、リアルに考えてみましょう。
- ・自分の親や兄弟と?
- ・元夫や元夫の両親と?
- ・児童養護施設などを利用する?
次は進路についても考えてみましょう。
- ・学校は公立?私立?
- ・大学に進学する?
既に高校生になっている子どもなら、卒業後の進路について具体的に分かってきている時期かもしれません。「まだ小さくて、どんな進路を選ぶか分からないわ」という場合も、あくまでも現在の希望で構いませんので、考えてみましょう。
そのとき、子どもにとって必要なお金がいくらかを考える
親亡き後に子どもにとって必要なお金は、大きく3つに分けて考えられます。
- 住居費
- 生活費
- 教育費
毎月の支出の中で一番大きなウエイトを占めるのが「住居費」です。とはいえ、子どもが、どなたか親類に引き取られた場合や、児童養護施設に入所した場合、里親と暮らすことになった場合なら、基本的に住居費はかからないと考えられます。しかし、子どもが高校生など、だいぶ大きくなっていて、1人で、もしくは兄弟姉妹と一緒に賃貸住宅に住みたいと希望するような場合は、住居費についても考慮しておきましょう。
「生活費」も、どこで誰と暮らすかによって大きく変わります。食費や光熱費、医療費や被服費など、大まかで構わないので予想してみましょう。
また、「自分がもしものとき」を考える上で、一番用意が必要なのが「教育費」です。児童養護施設に入所した場合は、学校に納める授業料や給食費などは支給されますが、塾や習い事、クラブ活動などはお金がかかることがあります。特に大学進学を希望しているなら、4年間でかなりまとまった金額が必要になるため、用意する金額の中に含めて考えておきましょう。
資料:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」、株式会社日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査結果」をもとに執筆者作成
公的にもらえるお金、現在ある貯蓄額を確認
1つ1つあげていくと、必要なお金の額が大きくなってしまいますが、この金額すべてを保険で用意しないといけないわけではありません。もしものとき、国からもらえるお金として、「遺族年金」があります。
会社員のシングルマザーが亡くなったとき
子どもは「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」を受け取れます。
<支給額>
- 遺族基礎年金
子ども1人のとき→795,000円/年
子ども2人のとき→1,023,700円/年
子ども3人のとき→1,099,900円/年
(日本年金機構ホームページ 遺族基礎年金令和5年度年金額をもとに執筆者算出)
- 遺族厚生年金
生前のお給料などによって年金額が決まります。
(詳しく計算したい場合は、ねんきん定期便または年金手帳をご用意のうえ、最寄りの年金事務所に問い合わせを。)
※パート勤務でも、厚生年金に加入していれば、遺族厚生年金がもらえます。
<支給期間>
(1)(2)とも子どもが18歳に到達した年度の末日(3月31日)まで。障害年金の障害等級1級または2級の子どもは20歳まで。
自営業のシングルマザーが亡くなったとき
子どもが受け取れる遺族年金は「遺族基礎年金」のみです。
支給金額、支給期間ともに「会社員のシングルマザーが亡くなったとき」の(1)遺族基礎年金と同じ。
遺族基礎年金はシングルマザーにとって、とても頼りになる制度なのですが、いくつか注意点もあります。その1つが、受給資格です。
現在は、亡くなった方が65歳未満の場合、死亡日の前々月までの1年間に「保険料の滞納」がなければ、遺族基礎年金を受け取ることができます。何の手続きもせず、保険料を払っていないと「滞納」とみなされますので、もし、家計に余裕がなく国民年金保険料の支払いができないなら、保険料免除や納付猶予制度が利用できないか確認し、利用できる場合は手続きを忘れず行いましょう。
もう1つ、注意が必要な点として、子どもが元の夫に引き取られるケースがあります。
実は、遺族基礎年金には「子の父(または母)と生計を同じくしている場合は支給停止」という決まりがあるのです。ですから、自分がもしものときは、元夫が子どもを引き取るだろうとお考えの場合は、子どもの遺族基礎年金は支給されない前提で用意する金額を考える必要があります(遺族厚生年金は、元夫に引き取られても子どもに支給されます)。
以上の点に注意しつつ、遺族年金の金額や、他に貯蓄や生命保険などがあれば、その金額も計算し、合計を出してみましょう。それが、既に用意できている金額です。
最初に計算した「子どもにとって必要な金額」から、遺族年金・貯蓄・生命保険など「既に用意できている金額」を引くと、「保険で用意が必要な保障額」が分かります。
自分の家計にとって最適なタイプの保険商品を選ぶ
必要な保障額が分かったら、どのタイプの保険商品が良いか、選びましょう。子どもが独立するまでの期間、保険料を抑えた商品が良いなら定期保険や収入保障保険がありますし、貯蓄性も求めるなら低解約返戻金型終身保険という選択肢もあります。また、元本割れのリスクはあるものの、積極的に運用も考えるなら、変額保険やドル建て終身保険といった選択肢もあります。その他、病気やケガ、がんに備える保険について適宜検討していくと、わが家にぴったりサイズの保険選びが完了します。
仕事に家事に子育てにと、シングルマザーの1日はとても多忙です。しかし、一度しっかり家計や保険に向き合うことで、モヤモヤとした将来の不安から解放されます。また、自治体や会社の健康診断を忘れず受けることも大切です。多忙ななかでも、何とか時間を確保しましょう。
-
コラム執筆者プロフィール
加藤 葉子 (カトウ ヨウコ)
女性とシングルマザーのお金の専門家 - 離婚を機にお金の勉強を始め、3年間で子どもの教育費を貯める。自身のブログ「女性とシングルマザーのお金の話」に全国の女性から切実なお金の相談が寄せられ、NHKのWEBコラム執筆を機に独立。3年間で1,500件以上の相談を受けている。現在は、女性ファイナンシャルプランナーのための実務講座やオンライン講座を配信中。
マイライフエフピー代表
ファイナンシャルプランナー 加藤 葉子
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
保険市場からのおすすめプラン
子供がいる場合
- 「アクサのネット完結 定期保険2」は、一定期間の死亡保障に重点をおいた保険で保険料はお手頃です。
- 「かぞくへの保険」は、万が一のときに家族の生活を支え、ライフステージごとに最適な保障額を選べる定期死亡保険。
アクサ生命 アクサのネット完結 定期保険2 |
お求めやすさにこだわりました。死亡保険金額が高額になるにつれ死亡保険金額100万円あたりの保険料が割引になる高額割引制度が魅力!!また解約返戻金をなくすことで保険料を抑えています。ネットで今すぐあなたの保険料を見てみよう!! | |
⇒詳細はコチラから |
ライフネット生命 かぞくへの保険 |
万が一のときに家族の生活を支え、ライフステージごとに最適な保障額を選べる定期死亡保険。インターネットでお申し込みいただけます。 | |
⇒詳細はコチラから |
※保険商品の詳細については、パンフレット(契約概要)をご確認ください。