20
2017.12.26
自然災害が多くて心配。被災したときどんな支援が受けられるの?
地震・台風・豪雨・噴火・大雪・竜巻などの自然災害は、いつ襲ってくるのかわかりません。災害に遭遇したときに一番大切なのは命を守ることというのは、あらためて言うまでもありません。一方、被災してしまったときの経済的ダメージもまた、計り知れません。そのようなときに頼りになる公的支援制度をご紹介します。
通帳や印鑑がなくても、預金の引き出しができる!?
災害のとき、着の身着のままで避難することも多いことでしょう。必要な現金を引き出したくても、通帳や印鑑などを準備できない場合もありますね。自然災害による被害状況が深刻で災害救助法が適用された場合、財務局と日本銀行は、金融機関・証券会社・生命保険会社・損害保険会社・少額短期保険業者などに対し、被災者に便宜をはかるため、特別な措置を講じるよう要請します。その内容の一部を表1にまとめました。
銀行・信用金庫などへの要請内容(抜粋) |
---|
|
証券会社への要請内容(抜粋) |
|
保険会社への要請内容(抜粋) |
|
資料:日本銀行「災害時における金融上の特別措置」をもとに執筆者作成
※1 損傷した紙幣や貨幣の交換基準
- 【紙幣】
- 残っている面積が3分の2以上…全額と交換
- 残っている面積が5分の2以上、3分の2未満…半額と交換
- 【貨幣(金貨以外)】
- 模様の認識ができ、重さが2分の1を超えるもの…全額と交換
住宅ローンなどの免除・減額を申請できる!
災害で住むところを失ってしまうことは、その後の生活に大きな影響を及ぼします。そのようなときに助かる制度を2つご紹介します。
1つ目は「被災者生活再建支援制度」。住宅の被害の程度や再建方法によって、最大300万円の給付を受けられます。住んでいた住宅が持ち家であっても借家であっても受給できるので、忘れずに申請しましょう。申請の際には、「罹災証明書」が必要です。窓口は都道府県や市町村。
2つ目は「被災者の債務整理支援」。被災により住宅ローンなどの返済に困ったとき、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」の利用によりローンの免除や減額を申し出ることができます。その際、弁護士などの「登録支援専門家」による手続き支援を無料で受けることができるほか、財産の一部を手元に残すことができ、債務整理したことが個人信用情報として登録されないというメリットがあります。窓口はローン借入先。
この制度は、2015年9月2日以降に災害救助法が適用される自然災害によって被災された方が利用できます。
まだまだある!雇用・教育・税金・社会保険など生活に関する支援制度
被災時には金融上の特別措置や住宅に関する支援のほか、家族が死亡したりケガをしたりした場合、災害が理由で離職した場合、教育を受けることが困難になった場合などにも支援を受けることができます。給付や減免を受けられる制度を中心に表2にまとめました。
家族が死亡・ケガをした場合の支援 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
||||||||
雇用に関する支援 | ||||||||
|
||||||||
教育を受けることが困難な場合の支援 | ||||||||
|
||||||||
障害者・児のいる世帯・児童扶養手当受給者世帯の支援 | ||||||||
|
||||||||
税金・社会保険に関する支援 | ||||||||
|
※支援制度の対象となる災害は制度によって異なることがあります。
資料:内閣府「被災者支援に関する各種制度の概要」をもとに執筆者作成
避難経路の確認や家具の固定、避難グッズの準備については既に多くの方が取り組まれておられると思いますが、同時に、被災後の支援制度について覚えておいていただきたいと思います。支援制度は申請が基本。知っているのと知らないのとでは、その後の生活に大きな差が出てしまいます。イザというときに活用できるよう頭の片隅に入れておきましょう。
災害に備えて、保険を相談しませんか?
店舗でプロに相談する忘れずに、住宅の保険も検討しよう!
火災保険 一括お見積り
コラム監修者プロフィール
柳澤 美由紀
やなぎさわ みゆき
- CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
- 関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。
相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。
家計アイデア工房 代表
- ※ この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
- ※ 掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
今すぐ相談したい方はこちら
メルマガ登録をして保険市場がご案内する各種コラムの更新情報やお得なキャンペーン情報を受け取ろう!
ご登録アドレスは大切にお預かりし、保険市場メールマガジンの配信にのみ利用します。