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2017.12.12
結婚したら夫婦で話し合おう!保険のこと
長い人生において、保険のことを考えるべき時期は何度かやってきます。そのなかでも絶対欠かせないのは、「結婚するとき」。それまでの1人ずつの人生から、2人で力を合わせて人生を歩んでいく姿に変わるため、必要な保障が変わるからです。
これから長く続く幸せな2人の生活のためにも、この時期の保険の話し合いはとても大切ですよ。
まずは「何の保険に入っているか」オープンにしよう
いくら愛し合って結婚した夫婦でも、価値観はそれぞれ異なります。筆者が受けるマネー相談においても、保険に対しての価値観が全く同じ夫婦は、そうはいないと感じています。例えば、配偶者が独身時代に入っていた保険を聞いて「えー、そんなの入ってるの?」とか「何も入っていないなんて信じられない」という反応が起こることも。
万一のことが起こったときに保障が受けられず困ったり、2人の保障が重複していたりということを避けるためにも、この機会にお互いが加入している保険をすべてオープンにすることをおススメします。
話し合っておきたいのは、死亡保険や医療保険、傷害(ケガ)保険など、からだに起こる万一を保障する保険と、他人にケガをさせたり、他人の物を壊してしまったりした場合の損害賠償を補償する個人賠償責任保険、自動車保険です。結婚前に親がかけていた場合もあるので親にも聞いた上で、保険証券などを見せ合い、おたがいに加入している内容をチェックしてみましょう。
2人の「保険リスト」を作ってみよう
オープンにしたら、2人の「保険リスト」を作りましょう。一覧にするメリットは、保障の過不足を考えやすいことと、重複しているものが一目瞭然なこと、何かあった際に保険請求を忘れずに済むことの3つ。「誰が」「どんなときに」「いくら支払われるか」「誰に」「保険会社」を一目でわかるようにしておきましょう。
保障を受ける人 | どんなときに | いくら支払われる? | 誰に | 保険会社 (証券番号) |
---|---|---|---|---|
夫 | 死亡 | 200万円 | 妻 | A社 (XXXXXXXX) |
夫 | 自動車事故 | (重複の可能性がある下記について有無をチェック) 人身傷害補償保険・弁護士費用特約・個人賠償責任保険 |
損害・保険種類によって異なる | B社 (XXXXXXXX) |
妻 | がん治療 | 診断給付金:100万円 入院:1日目から5,000円 手術:1回10万円 |
本人 | C社 (XXXXXXXX) |
妻 | 死亡・傷害 | 死亡:400万円 (不慮の事故の場合800万円) 入院(5日連続入院したとき):病気の場合1日目から1,500円 (不慮の事故の場合1日5,000円) |
死亡:夫 その他:本人 |
D共済 (XXXXXXXX) |
※スクロールで表がスライドします。
資料:執筆者作成
結婚時に1度作っておき、定期的に見直して最新版にアップデートしていきましょう。
今、どんなことが不安か話し合おう
リストを作りながらでも、普段でも良いですが、人生に訪れるさまざまなできごとについて、どんなことが不安かを話し合うと良いですね。主なできごとの例をあげて考え方を説明します。
不安なこと:自分や配偶者が死んでしまったら…
「残された方が働いていて収入が見込めるのであれば、葬儀代くらいがあればなんとかなるかな」
→配偶者の死亡保険の保障額は葬儀代を目安にすることが考えられます。
不安なこと:病気になって働けなくなってしまったら…
もし会社員なら「健康保険から『傷病手当金(働けなくなり給与が支払われなくなった後、4日目から1年6カ月間給与の約3分の2(※)を受け取れる制度)』をもらえるから保険はなくても良いかな」と考えるかもしれません。一方、傷病手当金制度がない国民健康保険に加入する自営業の場合は「働けなくなったら収入がなくなって生活できないから保険に入った方がいいかな」と考える方も多いでしょう。
(※)過去12カ月の標準報酬月額の平均÷30日× |
|
を支給日額とする |
(※) | 過去12カ月の 標準報酬月額の平均 |
÷30日× |
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を支給日額とする |
もちろん会社員でも自営業でも「長期入院して、個室を希望すると費用がかかるから大変」と思う方も。(国民)健康保険が適用されない個室などでの入院では医療費が高額になる可能性があり、大部屋ではなく個室入院を希望する場合は、医療保険で負担に備えるという手もあります。
もし自分が専業主婦(夫)の場合は、「もし病気になっても収入が減るわけではないから保障は要らない」と考えるかもしれません。
不安なこと:妊娠してもし切迫早産や帝王切開になったら…
妊娠中に切迫早産になった場合、自宅安静にとどまらず長期入院を余儀なくされることもあります。また帝王切開になると、手術などは健康保険が適用されますが、入院が長引いたり処置にお金がかかる場合も。妊娠後は医療保険に加入することがむずかしくなるか、部位不担保といって、妊娠・出産に関する保障を外した内容での加入になるなど制限されることがほとんど。今後妊娠を希望していて、できるだけ保険で備えたい場合は、早めに加入しておくと安心です。
いくらの保険料なら無理なく払えるか話し合おう
お互いの不安に感じていることと、どんなことに保険で備えたいと思っているかを話し合ったら、今加入している保険の内容をチェックします。保障が大きすぎるようであれば減らすことを、また保障が足りなさそうであれば新たに入ったり保障を増やすことを検討しましょう。しかし不安に対してすべて保険でカバーしようとすると、保険料が高額になりすぎることも。そこで、2人合わせた手取収入から、いくらの保険料なら無理なく払えるかを算出します。
算出方法は、貯蓄を差し引いた残りから考えるとスムーズです。一般的に、例えば子どもがいない夫婦であれば、手取月収から25%以上貯められる家計がベスト。この貯蓄には、家電の買い替えや冠婚葬祭などの臨時費用分も含みます。そして貯蓄分を除いた残りから生活費やおこづかいを引き、保険にどのくらいお金をかけられるか計算してみましょう。
手取月収の合計額 - 貯蓄(手取月収合計額×25%)= 家計における毎月使えるお金 …(1)
(1) - 生活費(家賃・食費・日用品・通信費・水道光熱費・娯楽費・被服費等)- おこづかい = 保険料として無理なく払える金額
ボーナスがある場合は、そこから保険料分を補填するイメージでも大丈夫ですが、ボーナスからも25%以上貯められるようにしておくと、今後家族が増えたときや、マイホームを持つときなどにかなり心強い資金となること間違いなしでしょう。
個人賠償責任保険や自動車保険も要チェック
死亡保険や医療保険のほかにも、結婚したらチェックしたい保険があります。一つは個人賠償責任保険。この保険は夫婦どちらかが入っていれば、家族全員を補償するため、2人とも入っていたら一方は解約できますね。また、2人とも自動車保険に加入している場合は、弁護士費用特約も夫婦どちらかが入っていれば家族全員が補償されますし、人身傷害補償保険は重複する部分があるため、加入保険会社に重複部分を問い合わせ、どちらかの保険について見直しをすると良いでしょう。
保険というツールを上手に活用するために、これから一緒に作っていく生活をイメージしながら、楽しく話し合ってみてくださいね。
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保険探しNavi
コラム監修者プロフィール
柳澤 美由紀
やなぎさわ みゆき
- CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
- 関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。
相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。
家計アイデア工房 代表
- ※ この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
- ※ 掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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