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2017.10.31
賃貸住宅にも火災保険は必要なの?
火災保険は火災や暴風・水災などによる建物の損害を補償してくれるものだから、賃貸住宅に住んでいる自分には必要ないのでは?と思っている方はいらっしゃいませんか?火災や水災の被害は、建物だけでなく、建物に収容されている家財が被ることもあります。そして、賃貸だからこそ被害に備えた方がよいこともあります。今回は、賃貸住宅に必要な補償についてお伝えいたします。
自分の財産は自分で守ろう
万一、火災が発生し、お住まいの建物や家財が損害を被ったとき、経済的な損失をカバーしてくれるのが火災保険です。自分が火事を起こさないよう対策をしていても、日本には失火ノ責任ニ関スル法律(失火責任法)というものがあります。失火責任法により、たとえ隣家からのもらい火で損害を被ることがあったとしても、それが重大な過失でない限り、出火元へ賠償請求をすることができないのです。自分だけが気を付けていても、損害を被る可能性はゼロではありません。賃貸住宅の場合、建物は持ち主である家主さんが火災保険に加入して備えていますが、家財については家財の持ち主である入居者が備える必要があります。
保険金額については、保険会社各社のパンフレットなどに算出方法が掲載されています。世帯主の年齢と家族構成をもとに算出している場合と、お部屋の床面積をもとに算出している場合がありますが、どちらもあくまでも参考金額です。実態に合わせて契約しましょう。また、貴金属・宝石や美術・骨董品などで価格が一定額を超えるものは、申告が必要な保険会社がありますので注意してください。
賃貸住宅向け火災保険の特徴
賃貸住宅向けの火災保険には、表のように大きく分けて4つの補償があります。
1.の家財の補償では、商品によっては水災や汚損・破損などを補償の対象外としたプランが用意されていることもあります。
2.の費用の補償は、商品によって基本補償となる補償内容が異なることがあります。
3.の家主に対する賠償責任の補償は、賃貸住宅向けの火災保険ならではの内容です。4.の日常生活のトラブルの補償と併せ、詳しくご説明しましょう。
家主から損害賠償を求められることがある!?
賃貸住宅に入居中、もしも火事を起こしてしまっても、重大な過失でなければ失火責任法の適用により、近隣への賠償は行わなくてもよいことになっています。しかし、部屋を借りるときの賃貸借契約書には、多くの場合「本物件を明け渡す際は、通常の使用に伴い生じた損傷を除き、本物件を原状回復しなければならない」等と記載されています。つまり、火災や水濡れなどで借りている建物に損害を与えてしまったときには、賠償責任を負うことになるのです。その賠償金を補償してくれるのが、表の3.家主に対する賠償責任の補償「借家人賠償責任」です。
また、家主に対する賠償責任を負わない偶然の事故によって借りている部屋が損害を被り、家主との賃貸借契約に基づいて自分のお金で修理した場合に、その費用を補償してくれる「修理費用保険金」を付帯できる保険会社もあります。
「借家人賠償責任」や「修理費用保険金」は、基本補償に含まれる保険会社とオプションで付帯する保険会社がありますので注意しましょう。
心強い個人賠償責任特約
日常生活に起因する偶然の事故や、住宅の所有・使用または管理に起因する偶然の事故によって他人の身体を傷つけたり財物を破損したりして賠償責任を負ったとき、その損害を補償してくれるのが個人賠償責任特約です。
賃貸住宅で挙げられる事故の例としては、水漏れによる階下への損害です。筆者の知人は、上の階の住人が洗濯機の使用中に排水ホースが外れたことに気付かなかったために、階下まで水が漏れて部屋が水浸しになった経験があります。部屋を完全に乾燥させ、壁紙を張り替える作業に半月を要し、その間、知人はホテル暮らしをすることとなったのですが、その費用は全て上の階の住人の負担でした。
個人賠償責任特約は火災保険の他、自動車保険や傷害保険にも特約で付帯することができますので、重複しないように注意しましょう。
借家人賠償責任と個人賠償責任には、示談交渉サービスが付いている会社もありますので、火災保険を選ぶときの目安の一つにしてもいいでしょう。
持ち家でも賃貸住宅でも、火災などの損害に備えなければいけないのは同じこと。加えて、賃貸住宅では、火災・爆発などで住んでいる建物に損害を与えてしまったときの家主に対する損害賠償に対しても備えておきたいですね。以上のことから、賃貸住宅にも火災保険は必要といえます。
また、引越しをして新たに火災保険に加入したときは、引越し前の火災保険の解約をお忘れなく!保険料の払込方法や満期までの期間によっては、保険料が戻ってくる可能性がありますよ。
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コラム監修者プロフィール
柳澤 美由紀
やなぎさわ みゆき
- CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
- 関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。
相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。
家計アイデア工房 代表
- ※ この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
- ※ 掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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