生命保険のぜい肉をそぎ落とす 3つのステップ
ぽっちゃり好きの人はいても、無意味に保障が多く、保険料の高い生命保険に入りたいと思う人はいないはず。でも、気づかぬうちに保険がメタボになっている人は少なくありません。就職・結婚時期に知り合いに勧められるがまま契約したり、親から引き継いだりしてよくわからないまま加入している保険がある人は要注意です。今はそんなに高くなくても、更新時にあまりの保険料の高さにひっくり返る…なんてことも。不必要な保険料を払っていないか、チェックしてみましょう。
[STEP1]目的ごとに分ける
医療保障も死亡保障もゴチャ混ぜの保険に入っていませんか? あなたがそんな保険に入っているなら、目的ごとに違う保険に入り直すことをオススメします。理由は2つ。
1つは、そのほうが断然わかりやすいからです。
入院や手術の保障は医療保険、万一のための保障は定期保険(掛け捨ての死亡保険)、がんが心配ならがん保険…というように備えておきたい保障ごとに保険に入っておくと、どの保険でどんな保障を得られるかが一目瞭然になります。一方、1つの保険にいろんな保障が付いていると、お得感はありますが、自身に不必要な保障を見つけにくくなります。
2つめは、効率よく保障を見直せるからです。
たとえば、資産形成が想定以上にうまくいったり、パートナーが高収入を得るようになったり、子どもが社会人になったこと等により、医療保障はそのままキープしたいけれど、死亡保障の必要性が低くなることがあります。医療と死亡保障を分けて加入していれば、死亡保障だけを減額したり、解約したりすることができます。しかし1つの保険にしていると、死亡保障を減らしたことで医療保障も削られてしまったり、死亡保障を解約しようとしたら、医療保障もなくなりますよ、と言われて泣く泣く継続しなければいけないことも起こりうるのです。分けて入っておくことで、必要な保障を必要なだけ備えておくことができるようになります。
生命保険は長く入っておくものです。わかりやすく、見直ししやすい形にすることが、保険のメタボ化を解消する第一のステップとなります。
[STEP2]成長とともに死亡保障を減らす
死亡保障タイプの生命保険は、万一のことがあった場合に遺族の生活が困らないように入るものです。必要な死亡保障額はパートナーの平均余命や子どもが社会人になるまでの期間等によって変わります。基本的には、いちばん下のお子さまが生まれたときが死亡保障のピークです。その後、成長とともに備えておくべき死亡保障額は減っていきます。
しばらく死亡保障の見直しを行っていないという場合は、必要保障額(適切な死亡保障額)の試算を行ってみましょう。ファイナンシャルプランナーに依頼するのが確実ですが、必要保障額を試算できるシミュレーターをホームページに設置している保険会社も増えています。3年ごと、5年ごと等、定期的に必要保障額をチェックする習慣を身に付けておくといいですね。
[STEP3]比較する
保険のダイエットに成功していて「削れる保障はもうないわ」という人でも、同タイプの他社保険の保険料の試算をしてみると、さらにリーズナブルな保険が見つかるときがあります。掛け捨てタイプの定期保険、収入保障保険、終身医療保険等の場合はその傾向が高いので、ときどき見積りをとって見比べてみるとよいでしょう。
たとえば、32歳男性Aさんが2年前(30歳)に入った終身医療保険(入院日額1万円、終身払い)を見直そうと、保険市場の比較サイトで保険料を試算した結果が表です。オプションの保障が各社で違うので単純な保険料比較はできませんが、2歳年齢が上がっているにもかかわらず、2年前より保険料が安くなる終身医療保険がこれだけあるのです。表で、保険料がもっとも低い丙社の保険料と既存の保険料の差は月額182円。1年間で2,184円、80歳まで継続したとすると10万9,200円の差になります。1ヶ月で考えるとコーヒー1杯分程度の違いですが、ちりも積もれば山となる。長生きするほど、その差が大きくなりますね。
余談ですが、表の甲社はAさんが現在加入している保険会社です。2013年に新商品を発売したことにより、このような逆転現象が起きています。終身医療保険の場合は入院期間の短期化等の影響で、定期保険や収入保障保険は長寿化等の影響で、以前よりも保険料水準を低めに設定した新商品を出している保険会社は増えています。
保険料の節約において“比較する”ことはとても重要であることをわかっていただけたでしょうか。ちょっと面倒ではありますが、興味のある方はやってみてくださいね。
(単位:円)※甲~丙社保険料は2013年10月31日に保険市場比較サイトを使って試算した結果をもとに執筆者が作成
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コラム執筆者プロフィール
柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき) -
CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。
相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。
家計アイデア工房 代表
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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