36歳男性です。現在賃貸住まいで、月12万5,000円(駐車場代込)程度の支払いがあります。そろそろ住宅を購入したいと考えていますが、月々いくらくらいまでローンの支払いにまわせるでしょうか?住宅購入価格は4,000万円を希望しております。現在の家賃が高いと感じており、これから子どもにかかるお金も増えていくと思うので、いまの家賃より大幅に下げなくてはというイメージがあります。毎月の収入で教育費、住宅ローンが賄え、年間100万円の貯蓄ができるとうれしいです。
住宅購入を検討中。月々のローンはどのくらい払える?
掲載日:2015年10月27日
千葉県在住 浜田聡さん (仮名)
(家計状況)
家族構成 | 夫 | 36歳会社員 |
---|---|---|
妻 | 38歳専業主婦 | |
子ども | 1歳 |
毎月の収入 (手取り) |
夫 | 300,000円 |
---|---|---|
妻 | 0円 | |
計 | 300,000円 | |
毎月の支出 | 家賃 | 115,000円 |
食費 | 55,000円 | |
水道光熱費 | 18,000円 | |
通信費 | 10,000円 | |
医療費 | 3,000円 | |
被服・美容理容費 | 15,000円 | |
娯楽・交際費 | 5,000円 | |
小遣い(夫) | 20,000円 | |
小遣い(妻) | 20,000円 | |
小遣い(子ども) | 10,000円 | |
自動車関連費 (駐車場代1万円を含む) |
20,000円 | |
保険料 | 10,000円 | |
その他 | 40,000円 | |
計 | 341,000円 | |
収支合計 | ▲41,000円 |
賞与収入 (手取り) |
夫 | 1,700,000円 |
---|---|---|
妻 | 0円 | |
計 | 1,700,000円 | |
賞与支出 | 毎月の赤字補てん分 | 492,000円 |
賞与貯蓄 | 1,208,000円 |
1年間の 貯蓄額 |
1,208,000円 |
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現在の資産 | 1,500万円 |
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(保険の加入状況)
- 夫:
- 死亡保険 4,000万円
収入保障保険 給付月額25万円
戸建てなら、住宅ローンは月10万円程度なら無理なく組めそうです
(ファイナンシャルプランナー 竹内 美紀からのアドバイス)
住宅購入を検討されているのですね。住宅探しは、将来に向けて夢が膨らむ楽しい時間です。さて、月々の収入で、教育費・住宅ローンが賄え、年間100万円の貯蓄をされたいとのこと。その上で、住宅ローンの返済に月々どのくらいまわせるか、というご質問ですが、結論から申し上げます。
■現在の家計状況なら、住宅ローンの毎月の返済額は10万円を目安にしましょう。
新築一戸建て(4,000万円)を購入した場合
(赤文字箇所:現在の「家計状況」から変更となる金額)
毎月の収入 (手取り) |
夫 | 300,000円 |
---|---|---|
妻 | 0円 | |
計 | 300,000円 | |
毎月の支出 | 住宅ローン※ | 105,000円 |
食費 | 55,000円 | |
水道光熱費 | 18,000円 | |
通信費 | 10,000円 | |
医療費 | 3,000円 | |
被服・美容理容費 | 15,000円 | |
娯楽・交際費 | 5,000円 | |
小遣い(夫) | 20,000円 | |
小遣い(妻) | 20,000円 | |
小遣い(子ども) | 10,000円 | |
自動車関連費 | 10,000円 | |
保険料 | 10,000円 | |
その他 | 40,000円 | |
計 | 321,000円 | |
収支合計 | ▲21,000円 |
賞与収入 (手取り) |
夫 | 1,700,000円 |
---|---|---|
妻 | 0円 | |
計 | 1,700,000円 | |
賞与支出 | 毎月の赤字補てん分 | 252,000円 |
賞与貯蓄 | 1,448,000円 |
1年間の 貯蓄額 |
1,448,000円 |
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※物件価格4,000万円の新築一戸建ての場合:諸費用5%、頭金1,100万円、固定金利2.1%、返済期間35年ローンで計算
ご希望の住宅購入価格は4,000万円ですが、戸建ての新築住宅を購入される場合、税金や手数料、保険料などの諸費用は物件価格の5%程度かかります。この諸費用を含めると、合計で4,200万円が必要です。預貯金1,500万円のうち、予備費として生活費の6カ月分(約210万円)、カーテンや家具、引っ越し費用などに使える予備資金として190万円、合計400万円を手元に残すとすると、頭金につかえるお金は1,100万円となります。つまり、3,100万円の住宅ローンを組むことになります。
借入金額3,100万円、全期間固定金利2.1%の住宅ローンを返済期間35年で組んだとすると、毎月の返済額は約10万5,000円となります。現在、家賃と駐車場代で12万5,000円かかっていますが、4,000万円の新築一戸建てを購入することにより、約2万円の支出を削減することができます。これにより、毎月の赤字が4万1,000円から2万1,000円に減り、年間貯蓄額は現状の120万8,000円から144万8,000円に増えることになります。かなり余裕がでますね。
一方、マンションを購入される場合は、別途「管理費」「修繕積立金」「駐車場代」の支払いが毎月発生します。そのため、毎月のローンの返済額が約10万5,000円ですと、住宅にかかる費用はこれまでよりも高くなるおそれがありますが、「管理費+修繕積立金+駐車場代」の合計が3万7,000円以下であれば、毎年100万円の貯蓄を死守することができます。ただ、幼稚園の月謝などの将来の出費を考えると、マンション購入で住宅ローンの支払いが月10万円以上になる4,000万円の物件は、少し無理があります。物件価格を引き下げるか、変動金利型のローンの利用も視野に入れておきましょう。
■いまが貯めどき!資金を3つに分けて、効率のよい資産づくりを
浜田さまのお子さまは、まだ1歳。教育費が本格的にかかるまで10年以上の余裕があります。いまが貯めどきですので、将来の出費に備えて資産づくりに取り組みましょう。
ところで、いま、どのようなかたちで貯蓄をされていますか?余ったら貯蓄する、というやり方をしているなら、思い切って見直しをするべきです。「貯蓄はボーナスから」と決めて、貯める金額を引き出し、貯蓄専用口座などに取り分けておきましょう。そして、残ったお金で生活するように心掛けてください。
取り分けた貯蓄用のお金は、用途に応じて3つに分けます。
(1)流動性資金
緊急予備資金です。急な出費や、収入が急に途絶えてしまったときのための準備資金で、生活費の6カ月分が目安です。すぐに引き出せる普通預金などに入れておきましょう。
(2)安全性資金
近々、確実に必要となるお金です。教育費や住宅購入費などが該当します。学資保険や定期預金などを利用して、必要な時期に確実に用意できるようにしましょう。
(3)収益性資金
いわゆる、老後資金がこれにあたります。長い期間をかけて、少しずつでもじっくり蓄えていくことが大切です。投資信託や変額保険など、インフレに強い金融商品で運用しましょう。
(2)の安全性資金のうち、教育資金は進路によってかかる費用が異なります。高校までの学費は、毎月の収入で賄うことが理想です。習い事や塾、進路を決める際は、貯蓄を取り崩さずに払えるかがポイントになります。
大学に関しては、私立文系の場合、大学の初年度納入金は約115万円で、次年度以降約90万円、4年間で約386万円かかります。私立理系で初年度約150万円、次年度以降は約123万円、4年間で約519万円です。こちらの資金に関しては、学資保険などの確実に用意できるもので積み立てるとよいでしょう。
※文部科学省「平成25年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」より。
住宅の資金計画が決まったら、次は楽しい物件探し。素敵な住宅が見つかるといいですね!
コラム執筆者プロフィール
竹内 美紀(たけうち みき)
CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/相続診断士®
システムエンジニア時代にFP資格を取得し、経営者保険営業を経て、ファイナンシャルプランナーとして活動中。保険税務や相続に強く、「争いにならないための相続」や「マネーセミナー」なども開催。
「数字に夢や希望をのせていっしょに夢を叶えるお手伝い」をモットーに、お客様の気持ちを掬い上げながら、丁寧な相談と生活実感を踏まえたアドバイスで、お客様の夢の実現をサポートしている。
竹内FP事務所 代表
コラム監修者プロフィール
柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)
CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。
相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。
家計アイデア工房 代表
- ※ この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
- ※ 掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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