岩朝 しのぶさんコラム - 第5回
素晴らしき人生という旅を
皆さん、こんにちは。
日本こども支援協会の岩朝しのぶです。
皆さんは、何か夢や目標がありますか?
人生をデザインする
出世したい?
もっとたくさんの収入が欲しい?
「夢や目標は人生をデザインする最高のツール」そう思いませんか?
という事は、つまり、人生をデザイン出来るのは、自分の“夢”や“目標”をしっかり捉えている人、という事。
自分の人生をしっかり見えている人はどれくらいいるでしょう?
「こうなりたい」というイメージがありますか?
「これをやっていきたい」という使命(ミッション)がありますか?
私は40歳を過ぎる頃までは漠然としていて「こんな感じにしていきたい」という程度でした。その頃はまだ、お洋服が欲しい、靴が欲しい、というように物欲も少なからずありました。
多くの人が豊かさを“モノ”に求めている時期があると思います。特に40代、50代の青春期はバブルの真っ最中でした。激動の時代。ブランド物、高価な物を手に入れる事をステータスに感じ、その豊かさを求めて頑張ってきた人が多いかもしれません。
スーツで仕事をする人をホワイトカラー、作業着で仕事をする人をブルーカラー、というように、職業を色で表したりするようになりました。
時が流れ、時代は変わり、オレンジカラーといわれる種類の方が現れました。オレンジカラーというのは主に「趣味を仕事とする人」を指します。何かをつくったり、何かを教えたり。自分が好きな趣味をお仕事に出来るなんて、楽しいですよね。
そしてここ数年は“ソーシャルワーク”や“社会起業家”といわれる「社会課題を解決し、なおかつそれを仕事とする人」が増えてきました。ベンチャー企業の進化系、という感じですね。
持続可能な社会へ向けて
社会には共存していくための課題がたくさんあります。
皆さんは“SDGs(エス・ディー・ジーズ)”という言葉を知っていますか?もしくは、こんなマークを見た事がありますか?
- 高齢化社会:介護問題、独り暮らし、認知症、空き家問題
- 環境:温暖化、マイクロブラスチック、水不足、森林火災
- 貧困:子どもの貧困、高齢者の貧困、ホームレス、非正規雇用
- 子ども:虐待、少子化、教育格差
ざっと挙げただけでもエネルギー、飢餓、人権、教育など様々な問題があります。このままだと50年後、100年後はどうなってしまうのでしょうか?
気温は上昇し続け、水は枯れ、高齢化、少子化が進み人口は減っていきます。様々な問題が、それぞれのカテゴリーに山積しています。
そして、それは日本だけの問題ではありません。世界中で同じような問題を抱えています。
そして、それはいくつかの国が改善しただけでは解決しません。
そこで、2015年9月の国連持続可能な開発サミットにて「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された「2015年から2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標」が採択されました。
国際目標は17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰1人取り残さない(leave no one behind)」事を誓っています。それを持続可能な開発目標(SDGs)といいます。
世界中の人達が共に持続出来るように、あと約10年で改善、解決していかなければならないのです。特に環境破壊などはスピードを増しています。
「えっ?あと約10年で解決しなければならないの?」と驚くかもしれませんが、ゆっくりしていられる時間などないのです。
今日は残りの人生の最初の日
私の恩人である尊敬してやまない方の言葉。
「何かを変えてみようと思えば、どんなところからでも、いつからでも出来る。今日は、残りの人生の最初の日なんだから。人生を楽しもう」。
誰でも、いつからでも、自分がなりたいようになれる。
自分が生きていきたいように、生きていける。
「今日は、残りの人生の最初の日」。
なんと心に響く言葉でしょう。この言葉に突き動かされる。
自分の人生のデザインは自分でしか出来ない。そして、それは、最初にデザインしたものが途中で「あれ?違うかもしれない」と気が付いた時、いつでも自由に書き直す事が出来る。
成長と共に環境が変わり、興味が変わり、趣向が変わる。そうすると、きっと“大事なモノ”が変わる。“価値観”が変わる。
その、変わった自分を察知して、自分の“喜びの変化”に気が付き、途中でデザインを変えればいい。
「何かを変えてみようと思えば、どんなところからでも、いつからでも出来る」でも、それは自分でしか出来ない。
そして、そのデザインを完成させるには、冒頭で書いたように“夢”や“目標”、もしくは“使命(ミッション)”が必要かもしれない。
ゴールをそこに置いた時に、そこに行くためにはどうしたら良いのか?というデザインが出来る。
素晴らしき人生という旅を
私たちは、何のために生まれてきたのだろう?
そんな事を考えた事はありませんか?
最近、思うんです。
私たちは「感じるために生きている」のではないか?と。
美味しい、不味い、楽しい、つまらない、好き、嫌い、素晴らしい、汚い、綺麗……。
最近のプレゼントに選ばれているものは“モノより事”だそうです。私も大切な人にはモノではなく、ミュージカルやパラグライダーなど体験や経験をプレゼントするようになりました。
人生、いつまでか誰にもわかりません。どれだけ健康に生まれても、明日事故に遭うかもしれない。どれだけ頑張って生きていても、病気になるかもしれない。
いつまでの命かわからないけれど、それは無限ではない。有限なんです。みんな、それまでの時間を良い事、悪い事、様々に感じて生きている。
有限の時間。その貴重な時間を共に体験、経験する事に使い、楽しみや喜び、感動をわかち合う。
モノよりも「時間を共有する」という事が究極のギフトなのではないか?と思うようになったからです。
そして「感じる」という素晴らしいスパイスを、大切な人の人生に振りかけて最高に味わって欲しい。大切な人と、人生を共有する。究極の喜びに思います。
この世に生まれてから数十年。あっちに行ったり、こっちに行ったり。時々、立ち止まったり、時には戻ったり。自分で好きなように旅をしたらいいのです。人生という長旅をたくさん楽しんで生きましょう。
もし、今までの人生が自分の思っているようなものでも、自分が望んでいる結果でもなかったら……。今日を境に、デザインし直しませんか?
あなたが何歳でも、遅くはないのですよ。いつからでもデザインし直せばいいのです。
今日は残りの人生の最初の日なのだから。
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PROFILE
岩朝 しのぶ(イワサ シノブ)
特定非営利活動法人 日本こども支援協会 代表理事
1973年宮城県生まれ。先天性内臓障害児として生を受け、16度の手術を経験。虐待防止活動、里親・社会的養護にあった子どもの自立支援、震災で親を失った子ども達や里親の支援活動を行う。主にアドボカシー活動に力を入れており、2018年には31回の講演を行い、2019年までの9年間で14,551名に伝えてきた。日本こども支援協会の代表的な活動として「“10月4日里親の日”One Love全国一斉里親制度啓発キャンペーン」を2016年から開始。2019年には67自治体、一般団体37団体、全国104カ所にて約800人規模で実施。自身も養育里親として12歳女児と暮らし、2017年NHK奈良放送局「なら この人」として特集される。
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