2015年04月07日
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都内の交通事故死者の4分の1がバイク事故!?バイク愛好家はこうして備えよう
寒い季節が終わり、休日のツーリングにも気持ちのいい季節になりました。自動車に比べて何かと便利な二輪車(バイク)ですが、事故にあった時の身体への影響は自動車などに比べて大きいことをご存じでしょうか。バイク愛好家にとってのリスクとは何か。どのようにして万一の事故に備えたらいいのか。東京都の交通事故データをもとに解説します。
都内交通事故データなどからみるバイク愛好家のリスク
平成26年中の都内における交通事故死者数は172名でした。このうち、自動二輪車と原動機付自転車に乗車中の死者は45名となっており、全体の26%超に相当します。歩行中の事故死(68名、全体の39.5%)に次ぐ多さです。
資料:警視庁「東京都内の交通人身事故発生状況(平成26年中)」をもとに執筆者作成
さらに詳細をみていくと、バイク乗車中の事故にはさまざまな特徴がありました。
資料:警視庁「東京都内の交通人身事故発生状況(平成26年中)」/
「二輪車の交通人身事故発生状況~平成26年中~」をもとに執筆者作成
死亡事故のリスクが高くなるキーワードは、「夜間」「40歳代」「単独」「直進時」。注目すべきは、行動類型別にみると死亡事故は直進時に多く発生していること。スピードが出ている分、衝突による影響が大きいと推測できます。
一方、一般社団法人日本損害保険協会「2012年度自動車保険データ(支払保険金関連)」の「2.用途・車種別のデータ 第1部 人身事故 8.加害者用途・車種別 / 被害者状態別の平均人身損失額」によると、車種別交通事故におけるバイク(小型二輪自動車)被害者の平均人身損失額(注)は、営業用普通貨物車(2t超)、自家用普通貨物車(2t超)に次ぐ3位です。自家用乗用車(95万6,000円)の1.6倍以上にあたる155万1,000円となっています。バイクに乗るということは、ライダー自身の人身損害(ケガ、後遺障害、死亡)はもちろん、事故の相手に対する損害賠償額も大きくなりやすいということを肝に銘じておくべきでしょう。
(注)被害者の平均人身損失額とは、交通事故による被害者1人当たりの人身損失額(被害者の治療関係費、慰謝料、休業損害、逸失利益等の合計)の平均値のことです。
事故に遭った時に身を守ってくれるものには、どんな物がある?
都内におけるバイクの死亡事故による損傷部位で一番多いのは頭部で、約5割を占めます。次に胸部で約3割となっています。バイクには自動車と違ってシートベルトもエアバックもありませんから、事故の時の身体へのダメージは計り知れません。バイクに乗る時には頭部と胸部を守ることが大切になります。
事故の際に頭部を守る物として、ヘルメットがあります。ところが、警視庁の調査によると、バイク事故の死者のうち約4割の人のヘルメットが脱落していています。ヘルメットは、ただかぶればいいのではなく、規格に適合した物を、あごひもをきちんと締めて装着することが大切です。
また、胸部を守る物としては、プロテクターがあります。プロテクターには、さまざまな部位用やタイプがあり、ブーツ・グローブ・ベスト・ジャケット・全身を守るオールインワンなどがあります。ところが、プロテクターを装着してバイクで走っている人を街で見かけることは、残念ながら多くありません。警視庁が平成19年から平成26年にかけて行った調査によると、装着率は1割に満たないのです。装着しない理由として「着用するのが面倒」「値段が高い」などが挙がっています。いざという時に命を守る物として、せめて胸部プロテクターだけでも装着したいものです。
125cc以下のバイクにはファミリーバイク特約がおすすめ
働き盛りの年齢層がバイク事故に遭われている実態から、事故に備えてバイク保険への加入を考えたいところです。内容としては自動車保険と変わりません。加入が義務付けられている自賠責保険と任意保険があります。バイク1台に対して1契約必要になります。
任意保険は、125cc以下のバイクに関しては、ご加入中の自動車保険があれば特約として付保することができます。「ファミリーバイク特約」というものです。同特約には人身傷害補償があるものとないものがあります。メリット、デメリットは次の通りです。
メリット | デメリット |
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資料:執筆者作成
バイクは転倒しただけで命の危険がある乗り物です。自動車のドライバーからは、バイクが実際よりも遠くに見えたり速度も遅く見えたりし、また、バイク乗車中は道路に駐停車中の自動車が大変危険なものになります。バイクに乗る人もそうでない人も、バイクの特性をよく知り、思いやりをもった運転を心がけたいものです。
- 中垣 香代子(なかがき かよこ)
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CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
損害保険会社に約10年勤務後、子育てに専念。約20年間の専業主婦の後、ファイナンシャルプランナーとなる。
「老後のお金サポーター」として、相談業務の他、40~50歳代女性にお金の知識をわかりやすく伝える活動をしている。また、自身の経験から、経済的理由で進学をあきらめるお子さんが一人でも減ることを願い、就学支援の情報発信にも力を入れている。
老後のお金を一緒に考える事務所 所長。
- 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)
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CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。
相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。
家計アイデア工房 代表
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