保険料と保険金の違いって何?
生命保険の仕組みや専門用語は分かりにくいと感じる方もいらっしゃるでしょう。例えば、「保険料」と「保険金」は1文字の違いですが、「支払うお金」と「受け取るお金」であり、意味は真逆です。
このコラムでは、今さら聞けない保険料と保険金の違いや、生命保険の仕組みについて解説していきます。ぜひ理解を深めて、ご自身の保険選びの参考にしてくださいね。
保険料は支払うもの、保険金は受け取るもの
「保険料」とは、契約者が保障を得る対価として保険会社に支払うお金のことをいいます。例えば、「手数料」「入場料」などという言葉のように、「○○料」という場合は支払うお金を指します。よって、契約者が支払うお金が保険料です。保障を充実させようとすると、一般的に保険料は高くなります。
他方、「保険金」とは、被保険者が死亡・高度障害状態のとき、または満期まで生存したときなどに保険会社から受取人に支払われるお金のことをいいます。例えば、「年金」「助成金」などという言葉からイメージできるように、受け取るお金が保険金です。
それぞれ言葉のイメージをしっかりもつことで保険料と保険金の区別ができるでしょう。一度イメージが固まると、どちらの意味だったのか迷うこともなくなるのではないでしょうか。
ご自身が加入しようとしている・加入されている保険で、いくらの保険料を支払い、対価として、どのようなときに保険金が支払われるものかをきちんとおさえておくことが、基本中の基本となります。保障内容がよく分からないという方は、お早めに保険会社や保険代理店に問い合わせてみることをおすすめします。
図 保険料と保険金の関係
資料:執筆者作成
生命保険って、どんなもの?
そもそも、生命保険とはどういうものでしょうか?(公財)生命保険文化センターの「平成27年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、現在約9割の世帯が生命保険に加入していますが、改めてどのようなものか考えてみましょう。
生命保険は、多くの契約者があらかじめ公平に保険料を負担しあって、いざというときに給付を受けられるよう備える仕組みです。例えば、一家の大黒柱に万一のことがあった場合を考えると、それからの生活に不安を感じる方も少なからずいらっしゃるでしょう。生命保険に加入しておくことで、そういった経済的な不安を和らげられます。
保険料はどうやって決まる?
保険料は、将来の保険金支払いにあてられる部分と、保険会社の経費(人件費や広告宣伝費など)や利益にあてられる部分の合計になっています。
同じような保障内容でも、経費がどのくらいかかっているかの違いで、契約者が支払う保険料は変わってくるでしょう。
そのため、一般的には人件費や店舗維持費のかかる保険会社・保険代理店の担当者を通じて対面で契約をする保険商品よりも、インターネット申込専用の保険商品を契約する方が保険料を抑えられるといえます。また、毎月保険料を集めるための手数料がかかる月払よりも半年払・年払・全期前納・一時払など、保険料をまとめて支払う方が、1回に支払う金額は多くても支払いの総額は少なくなります。
表 契約の方法による保険料の違い
(例)年齢35歳男性、保険期間20年で・死亡保険金1,000万円で試算
月あたり保険料 | 1年間の保険料 | |
---|---|---|
一般的な保険商品 | 約2,700円 | 約32,400円 |
インターネット専用の保険商品 | 約2,300円 | 約27,600円 |
資料:執筆者作成
さらに、インターネット申込専用の保険商品を契約し、加えて年払を選択すれば、1年間の保険料をより抑えられることがあります。ただし、保険会社や保険商品によっては払込方法を選択できないため、事前に確認しておくことをおすすめします。
同じ内容の保障、つまり、どんなときいくら保険金を受け取れるかが同じでも、保険料を抑える工夫ができることは知っておくとよいでしょう。
保険契約の相談前に知っておくと、理解が深まります!
(1)新しく保険を検討している方
これから保険への加入を検討される方は、まずはどなたか身近な保険に詳しい方や保険代理店に相談されたり、インターネットで調べたりするでしょう。何社かの保険を比較して無料で相談できるサービスもあり、大変便利になっています。
ですが、相談をする際に、保険の専門用語がある程度分かっていないと、相談内容が頭に入ってこないということにもなりかねないでしょう。
加入する保険の保障内容がよく分からないまま契約してしまうということがないように、事前にいくらの保険料なら払い続けることができそうか、保険金はどのくらい必要かなどをしっかりと確認しておくことをおすすめします。
(2)既に契約した保険がある方
今、加入している保険についてよく分からないという方、保険の見直しを検討されている方は、まずは現在、保険料をいくら支払っているか、また保険金はどんなときにいくら受け取れるのかをチェックして把握しましょう。加入してから何年も経過していると、ご自身やご家族の状況が変わっていることもあるため、必要な保障が確保されているか、保険料を支払いすぎていないかを確認しておきましょう。
「加入しただけで安心」ではなく、「我が家のライフプランに合った保障内容かどうか」という観点で保険を検討することをおすすめします。
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コラム執筆者プロフィール
石村 こずえ (イシムラ コズエ) - AFP/一種証券外務員
- 証券会社や銀行のコールセンターで通算8年半勤め、延べ7万件以上の顧客対応を経験。お金の知識を生かして、自身の保険の見直しや節約術で赤字家計を改善。「明るい未来のお手伝い」をモットーに、家計の見直しに悩む方への個別相談や講師、執筆業で活動している。
ファイナンシャルプランナー 石村 こずえ
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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