保険料の支払いが困難になった場合
病気や失職・給料減になり保険料の支払いが困難になった場合、何か良い方法はあるのでしょうか?
先行不透明な時代、様々な理由により保険料の支払いが困難になる可能性は、どなたにもあるかと思います。加入されている保険の死亡保障を減額することもできますが、他に下記4つの方法がありますので一緒にみていきましょう。
1.自動振替貸付を使ってみる
保険料の支払いが滞ると契約の効力が失われる(=失効)のですが、「自動振替貸付」を使うと契約は失効せず有効に継続します。自動振替貸付とは、保険を解約したときに戻ってくるお金(解約返戻金)の一定範囲内で、保険会社が自動的に保険料を立替えてくれる制度です。もちろん「貸付」ですので、返済するまで利息が課せられることになります。
2.契約者貸付を使ってみる
「契約者貸付」とは、解約返戻金の一定範囲内で保険会社から貸付が受けられる制度です。自動振替貸付は自動的に使うことができる制度でしたが、契約者貸付は自分で意思表示をして申請する必要があります。また、自動振替貸付と同じように、利息が課せられることになります。一時的に保険料の支払いが困難になり、まとまったお金が必要になった場合に有効な制度です。ただし、保険の種類によっては利用できない場合があります。
3.延長保険を使ってみる
今後も保険料の支払いが困難な場合、現在加入している保険を有効的に使う方法として、「延長保険」があります。延長保険とは、保険料の支払いを止めて、その時点の解約返戻金を利用し、現在の保険金額と同じ額の一時払いの定期保険に変更する方法です。例えば、3,000万円の死亡保障はそのままで、保障期間が保険加入当初より短くなるというイメージです。なお、延長保険に変更すると、医療の特約等各種特約は消滅します。また、解約返戻金が少ない場合は変更できないことがあり、保険の種類等によっては利用できないことがあります。
資料:執筆者作成
4.払済保険を使ってみる
上記の延長保険と同じように、現在加入している保険を有効的に使う方法として、「払済保険」があります。払済保険とは、保険料の払込みを中止し、変更時の解約払戻金を一時払いの保険料に充当して、今までの契約の保険期間を変えずに保障額の少ない保険に変更できる制度です。変更する方法は、例えば、保険期間はそのままで、3,000万円の死亡保障が小さい額に変更されるというイメージです。なお、延長保険と同じように特約は消滅します。
資料:執筆者作成
自動振替貸付は、ついうっかり銀行口座の残高不足で保険が失効するというリスク対策にも使えますし、契約者貸付は、一時的に保険料の支払いが困難になった場合に使える制度です。また、今後も保険料の支払いが難しい場合は、延長保険や払済保険に変更することも有効でしょう。
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コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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