夏に向けて!レジャーの備え
夏といえば「海」や「山」に行きたくなりませんか?
海ではサーフィンやダイビング、山では登山やキャンプを楽しむことができます。特にここ数年では人が密集しない自然の中での遊びが流行したのではないでしょうか?
どこに行ってもたくさんの楽しみがありますが、自然の中ですので危険と隣り合わせです。
レジャーでの事故
同じ「自然」といっても、海と山ではそれぞれのリスクは異なります。
海での事故
例えば、海では大きく分けて「船舶事故」と「人身事故」があります。
船舶事故
プレジャーボート(モーターボート、クルーザー、水上バイク等)や遊漁船の運航不能、衝突、転覆等があります。
図1 船舶事故隻数の推移
資料:海上保安庁「夏季(7-8月)の船舶事故・人身事故発生状況(速報値)」[1]をもとに執筆者作成
人身事故
遊泳、サーフィン、釣り、スキューバダイビング等において、海上または海中で、船舶事故によらない乗船者の海中転落、負傷、病気、中毒等、乗船者以外の者の負傷、溺水、帰還不能等があります。
図2 人身事故者数の推移
資料:海上保安庁「夏季(7-8月)の船舶事故・人身事故発生状況(速報値)」[1]をもとに執筆者作成
なお、人身事故者のうち半数以上が「遊泳中」に事故に遭っています。
山での事故
山では登山(ハイキング、沢登り、岩登り含む)、山菜採り等の目的で山に入ると思いますが、遭難や滑落・転落による負傷のリスクがあります。他にも、疲労による体調不良や野生生物の襲撃等のリスクが考えられます。
図3 山岳遭難人数の推移
資料:警察庁「令和4年夏期における山岳遭難の概況」[2]をもとに執筆者作成
水難事故
海や山だけでなく、川や湖に行くこともあるでしょう。それでは、水難事故全体の調査を見てみましょう。
図4 水難者の推移
資料:警察庁「令和4年夏期における水難の概況」[3]をもとに執筆者作成
傾向としては、海での事故も、山岳遭難でも、水難事故も昨年度より増加しています。要因としては、コロナ禍の制限ではないでしょうか。
コロナ禍では全国のさまざまな海水浴場で「海水浴場開設中止」の案内が多く見られました。しかし、行動規制が緩和されるに伴い、事故件数も再び増加していると考えられます。
その点、山ではコロナ禍でも入山禁止等の案内は見受けられることなく、登山者が多くなったと考えられるでしょう。
海や山で事故に遭ったとき、救援費用はかかる?
では、海や山で事故に遭った場合、救援費用はかかるのでしょうか。
海の場合、海上保安庁や(公社)日本水難救済会が行う救助活動や捜索活動にかかる経費については、基本的には遭難者に請求されることはありません。一部、洋上の船舶上で傷病者が発生し、医師による緊急の加療が必要で「洋上救急制度」を利用する場合は費用が発生します。
一方、山の場合はどうでしょうか?
山の場合でも警察や消防などの行政が行う捜索については、原則、遭難者に請求されることはありません。しかし、民間の救助隊が出動した場合は費用を請求されることになります。また、一部の自治体では行政が行う捜索であっても、防災ヘリが出動した場合は有料とする条例があります。
今からできる備え
海や山での事故についてお伝えしましたが、これらの多くは事前の準備や適切な対策をすれば防ぐことができるものです。
例えば、海で泳ぐ場合は「安全な遊泳区域を確認し、無理をしない」「船に乗る場合はしっかり整備をしてむちゃな運転をしない」などが考えられます。山では「天候やご自身の体調に合わせて登山計画を立てる」「侵入禁止エリアには入らない」などが考えられるでしょう。
ご自身でできる限りの準備や対策を立てた上で、もし不安がある場合は、万一の費用負担にも備える検討をしてみてはいかがでしょうか?
思う存分、夏本番を楽しみたいものですね。しっかり備えることでご自身やご家族にとって素敵な夏の思い出になることでしょう。
出典 |
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執筆者プロフィール
末藤 智也スエフジ トモヤ
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP
株式会社みらいている 代表。大学卒業後、約15年間民間企業にて人事職として勤務。2019年に個人事業主として開業し、2021年に法人化。主に「働き方改善」「キャリアプランニング×ライフプランニング」をテーマとしたセミナーや研修の活動を行っている。
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- ※ 掲載日は2023年7月13日です。