ペット保険を契約していて良かった!犬の骨折で思わぬ出費
骨折しやすい犬種
私は犬を3頭飼っています。イタリアン・グレーハウンドという犬種です。細身の体が魅力的ですが、足がすらっと細く、常に骨折しやすい犬種の上位にランクインしています。
表1 骨折の請求が多い犬種
1位 | イタリアン・グレーハウンド |
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2位 | ポメラニアン |
3位 | トイ・プードル |
4位 | パピヨン |
5位 | ミニチュア・ピンシャー |
※2016年度にアニコム損害保険株式会社の保険契約を開始した0~12歳の犬507,375頭を対象に、骨折の請求割合が高かった犬種。犬種は各母集団において、1,000頭以上のもののみを対象。
資料:アニコム損害保険株式会社「家庭どうぶつ白書2018」[1]をもとに執筆者作成
日常生活では、床が滑りにくいようにマットを引いたり、高いところに上らないようにしたりとさまざまな工夫を施しています。
しかしながら、事故は突然やってきます。先代の1頭を含め計3回の骨折を経験しています。
骨折の治療費と保険給付
犬の治療費は全額自己負担になります。幸いペット保険を契約していたので、いずれも急な出費を抑えることができました。
先代のメス犬は骨折以外にも高額な治療費が病気でかかったため、保険を契約していなかった場合、200万円以上の費用を支払うことになっていました。その場合、貯蓄の取り崩しをしていたことでしょう。あるいは、治療そのものを断念していたかもしれません。
その経験から、現在飼っている3頭には、高額な治療も受けられるように保険金の支払いが多いタイプを契約しています。
3回の骨折にかかった治療費、保険金は以下の通りです。
表2 実際にかかった治療費、保険金額等
1回目 | メス 3歳 |
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状況 | 抱きかかえている子どもから飛び降りた |
骨折箇所 | 右前足骨折 |
治療期間 | 2カ月 |
治療費 | 291,376円 |
保険金 | 145,688円(50%補償のタイプ) |
自己負担 | 145,688円 |
2回目 | オス 3歳 |
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状況 | 椅子から降りた |
骨折箇所 | 左前足骨折 |
治療期間 | 3カ月 |
治療費 | 476,861円 |
保険金 | 333,803円(70%補償のタイプ) |
自己負担 | 143,058円 |
3回目 | オス 3歳 |
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状況 | ソファーから降りた |
骨折箇所 | 右前足骨折 |
治療期間 | 2カ月 |
治療費 | 56,100円+160,000円(保険適用外の手術費)=216,100円 |
保険金 | 39,270円(70%補償のタイプ) |
自己負担 | 16,830円+160,000円(保険適用外の手術費)=176,830円 |
資料:執筆者作成
3回の骨折にかかった治療費の合計は、交通費やゲージ、サプリメントの購入費も合わせると約100万円にもなりますが、ペット保険を契約していたので、半分の約50万円の支出で済みました。
ここで、給付の条件について注意が必要です。
私が契約したペット保険は、手術の給付が1年で2回までというタイプでした。私のケースを例にとると、2回目の骨折の際にプレートを入れる手術で1回、次にボルトを抜く手術で1回、合計2回となり、1年間で2回の手術枠を使い切ってしまいました。
その後、同じ保険期間で再度骨折をしてしまったため、3回目の骨折では手術の給付が対象外となりました。
なにかあったときに困らないように、補償内容を確認しておくことは、とても大切です。治療が始まったら、どのような給付があるのかを必ず確かめましょう。
今回のケースのように手術の給付が2回までの場合、3回以上の手術がわかっていれば、どの手術で2回の給付を請求するのかを考えることもできます。
骨折治療は高額になることも!
骨折の場合、骨の折れ方や骨折箇所、犬の個体によって治療方法もさまざまです。
また、動物病院の治療費は「独占禁止法」により自由診療となっているため、病院によって費用が変わってきます。
3回の骨折治療は、1回目が大学病院、2回目は整形外科専門病院、3回目はかかりつけ医と、全て違う病院での治療となりました。大学病院は特殊な細いプレートを作成するため、整形外科専門病院はかかりつけ医が休診だったためと別々の理由があります。中でも2回目の治療は入院日数が長くなったので費用が最も多くかかりました。
また、病院が遠方の場合は往復の交通費や時間も捻出しなければなりません。
たとえ元気なワンちゃんでも骨折することはあります。我が家の場合では、普通に動けるようになるまで2~3カ月程度の時間がかかりました。
「動かないように」「安静に」というお医者さんの指示を守ることはかなり困難です。仕事や家庭の事情で一日中看病ができないこともあります。解決策として入院を延長する、ペットシッターを利用するなどがあります。しかしながら、費用はその分加算されていきます。
骨折にかかる費用は治療費+αであると覚えておきましょう。
高額な出費にはペット保険で備えるのがおすすめ
言葉が話せないワンちゃんが骨折をしている様子は心を痛めます。
予防として床を滑らないようにする、ソファーを低くするなど、飼い主さんはさまざまな工夫をしていることでしょう。
それでも、事故は思わぬところで起こります。治療費や看護で高額な出費になることに備え、ぜひ、ペット保険を検討してください。
いろいろなペット保険があるので、犬種や飼育の状況にあったものを選ぶと良いでしょう。
出典 |
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執筆者プロフィール
梅田 雅美ウメダ マサミ
CFP、防災士
証券会社、都市銀行、生命保険会社などを経てライフ&ビジネス・デザイン合同会社を設立、代表社員を務める。2020年現在、目黒区議会議員としても活動し、行政にFPの視点から改革を起こすために奮闘中。リスク管理を得意とし、現実的なアドバイスを行う。また高齢社会へ向けて健康維持、予防活動にも力を注いでいる。
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- ※ 掲載日は2022年8月10日です。