自動車保険
2018.10.09
ロードサービス専門業者の会員なら、自動車保険のロードサービスは不要?
「うわ~バッテリーが上がっている!車内灯のつけっぱなしに気付かなかった。」「キーを車内に残したままロックした!」という経験をお持ちの方、多いのではないでしょうか。また、故障や事故で動かなくなった自動車をレッカー搬送した経験をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。そんな時に頼りになる「ロードサービス」は、大きく分けて2つあります。1つは、専門業者のロードサービスで、もう1つは、自動車保険に付帯されているロードサービスです。今回は、この2つの違いについて解説します。
専門業者のロードサービスってどういうのがあるの?
はじめに、専門業者が行っているロードサービスの内容を見てみましょう。
専門業者が行っているロードサービスには主に以下のようなサービスがあります。
- ・バッテリー上がり時のジャンピング
- ・パンク時のスペアタイヤ交換
- ・キー閉じ込み時の鍵開け
- ・燃料切れ
- ・雪道等スタック引き上げ
- ・脱輪引き上げ
- ・故障車けん引
無料で受けることのできるサービスに制限がある場合がありますが、これだけのサービスを受けることができるのは、とても頼もしいですね。
専門業者によっては、ロードサービスの対象を会員本人か車両かで選択することができます。一般的に、専門業者のロードサービスの対象を会員本人にした場合は、本人が運転していた場合に利用できるため、他人名義の車両もロードサービスを受けることができます。一方、対象を車両にした場合は登録車両についてロードサービスの対象となり、会員本人だけでなく同居する家族も受けることができます。
では、専門業者の会員であれば、十分なロードサービスを受けることができますが、自動車保険に付帯されているロードサービスは不要なのでしょうか。
自動車保険のロードサービスでは、どんなサービスを受けられるの?
30分程度の応急処置やレッカーけん引など、専門業者と同様のロードサービスに加えて各保険会社のロードサービスでは、事故や故障で自動車をレッカー移動された後、その現場に残された方の移動・宿泊費や修理中の代車費用など、トラブルに伴う諸費用への補償が充実しています。
主な専門業者と主な損害保険会社のロードサービスを比較してみました。
表1:ロードサービスの内容比較
※スクロールで表がスライドします。
資料:執筆者作成
専門業者のロードサービスと自動車保険のロードサービスには、大きな違いが2つあります。
1つ目は、専門業者会員になるには、一般的に入会金や年会費が必要となる一方、多くの自動車保険では、ロードサービスが自動付帯となっていますので、入会金や年会費のような費用がかかりません(一部、オプションとなるサービスがあります)。
2つ目は、専門業者のロードサービスの対象は会員本人であることが一般的であることに対して、自動車保険では被保険自動車であることです。つまり、専門業者のロードサービスは会員が運転している場合に受けることができますが、自動車保険のロードサービスは被保険自動車に限られるのです。なお、専門業者によっては、会員が運転していなくても同乗していれば利用できるところもありますので、利用の際には確認するようにしましょう。
表2:専門業者の個人会員がロードサービスを受けることのできる状況
※スクロールで表がスライドします。
※夫が、専門業者の個人会員、自動車保険の主たる運転者だった場合
資料:執筆者作成
一般的に専門業者の個人会員の場合、ロードサービスを受けることができるのは会員本人のみなので、自家用車を家族で共有している場合は、自動車保険のロードサービスがあるとよいでしょう。また、自動車保険の中には専門業者の会員になっているとロードサービスの内容がさらに充実するものや、ロードサービスが任意付帯のものがあります。
今回は「ロードサービス専門業者の会員なら、自動車保険のロードサービスは不要?」について解説しましたが、自動車保険に自動付帯されるロードサービスを基本として、必要に応じて専門業者の会員になったり、自動車保険ロードサービスのオプション契約をされたりすることを検討されてはいかがでしょうか。また、専門業者のロードサービスを付帯できるクレジットカードもありますので、年会費などを比較し、クレジットカードの必要性も含め検討されるとよいでしょう。
トラブル発生時に「受けたいサービス」と「捻出できる費用」を比較して、「我が家に合うロードサービス」を探してみましょう。
- 監修者 柳澤 美由紀 やなぎさわ みゆき
- CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
- 関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。
相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。
家計アイデア工房 代表
- ※ この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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