2017.08.10
第6回 生命保険の見直し方法
現在加入している契約がご自分のニーズの変化に対応しなくなった場合、保険種類や保障内容、保険金額および保険期間などについて現状に沿ったものに変更するための「生命保険の見直し方法」をご紹介します!
保険料を抑えたい場合や、保障を減らしたい場合
- 1.解約して新規加入する
- 現在の契約を解約して新しい保険に加入し直します。注意点として無保険状態を避けるため、新しい保険契約が成立した後に解約しましょう。ただし、新規契約時には、新たに告知(診査)が必要な保険もありますので、注意が必要です。
- 2.特約を解約する
- 現在の契約に付加されている不要な特約部分のみ解約し、以後の保険料を軽減します。
- 3.減額する
- 保険料の負担を軽減するために、保険期間の途中から保険金額を減らすことを減額といい、減額部分は、解約されたものとして取り扱い、解約返戻金があれば払い戻しされます。
保障額を増やしたい場合
- 1.不足分を新規加入する
- 現在の契約はそのままで、新しい保険を別途加入します。
- 2.定期保険特約などを中途付加する
- 現在の契約に、定期保険特約などを新たに付加して死亡保障額などを大きくする方法です。中途付加時の契約年齢や保険料率をもとに中途付加する特約の保険料を計算し、現在の保険料に加えられます。ただし、告知(診査)が必要になる場合がありますので、注意が必要です。
- 3.契約転換制度を利用する
- 現在の契約を活用して、現在加入している生命保険の責任準備金(将来保険金を支払うために積み立てられている準備金)や積立配当金などを下取りに出し、そのお金(転換価格)を新しい契約の一部に充当する方法です。転換時の契約年齢、保険料率により保険料を計算し、転換価格の充当で割り引かれたあとの保険料を払い込みます。ただし、現在の契約の予定利率が高い場合は転換時の予定利率に変わりますので注意が必要です。
- ・転換価格を主契約のみに充当する方式(基本転換)。
- ・転換価格を定期保険特約のみに充当する方式(定特転換)。
- ・転換価格を一定の割合で分割し、主契約と定期保険特約のそれぞれに充当する方式(比例転換)。
上記のような転換方式では,転換前契約は完全に消滅しますが、転換前契約の一部を残しながら部分的に転換価格を利用して新たな保険を契約する方式(分割転換)を取り扱う生命保険会社もあります。
生命保険会社が転換制度の利用をすすめる場合、書面を用いて転換以外の方法や転換した場合の新旧契約の内容比較について説明することが義務付けられています。内容を十分理解し納得したうえで書面に押印しましょう。
特約の中途付加や契約転換制度は、取り扱わない生命保険会社や、保険種類によっては取り扱わない商品などもありますので、生命保険会社への確認が必要です。
保険料の払い込みが困難になった場合
- 1.保険料の(自動)振替貸付
- 基本的に、保険料の払い込みを忘れたり遅れたりして、払い込みがないまま猶予期間が過ぎると、契約は失効することになります。(自動)振替貸付とは、その契約の解約返戻金が払い込むべき保険料とその利息の合計より多ければ、解約返戻金の範囲内で、生命保険会社が保険料を自動的に立て替えて契約を有効に継続させる制度です。この場合、生命保険会社の定める利率により利息を支払うことになっています。貸付金と利息は保険期間内であればいつでも返済できます。また、保険金が支払われる際に、未返済の貸付金や利息は、保険金から差し引かれます。
- 2.払済保険への変更
- 以後の保険料の払い込みを中止して、そのときの解約返戻金を一時払保険料に充当し、元の契約の保険期間を変えず、養老保険もしくは元の契約と同じ種類の保険に切り換える方法です。この場合、一般的に保険金額は元の契約より小さくなり、各種特約を付加した契約の場合、その特約部分は変更後に消滅します。なお、解約返戻金が少ない場合は、切り換えできない場合があります。
- 3.延長(定期)保険への変更
- 以後の保険料の払い込みを中止して、そのときの解約返戻金を一時払保険料に充当し、元の契約の保険金額を変えず、死亡保障のみの定期保険に切り換える方法です。各種特約を付加した契約の場合、その特約部分は変更後に消滅します。
計算上の保険期間が元の契約より短くなる場合には、短くなった保険期間の満了をもって契約は消滅しますが、計算上の保険期間が元の契約の保険期間を超える場合には、元の契約の保険期間にとどめ、その満了日まで生存したときは、満了日に生存給付金が支払われる場合があります。なお、解約返戻金が少ない場合は、切り換えできない場合があります。
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店舗で直接相談するプロフィール
- 大前 隆史おおまえ たかし
- ファイナンシャルプランナー
- 国内の大手生命保険会社に29年間在籍。そのうち12年間は社内の教育担当を務める。企業や教育機関からの依頼による、社会保険や民間保険に関する講演も多数経験あり。
- ※ この記載内容は、執筆者独自の見解です。
- ※ 掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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