掛け捨て保険と積み立て投資は相性抜群!利用する場合はここに注目しよう
- 保険料を安くするコツは、定期保険や収入保障保険、解約しても返戻金が出ないことが多い医療保険等の「掛け捨て」の保険を選ぶことです。「保険料の払いっ放しは嫌」とか「絶対損したくない」等と、養老保険や終身保険等の貯蓄性の高い保険ばかりに加入していると、家計に占める保険料負担は大きくなります。保険料を安くするなら、掛け捨て保険を選ぶべきです。とはいえ、掛け捨て保険で備える場合には、次に挙げる3つの注意点があります。今回は加入する前に知っておきたい心得をご紹介します。
1. こまめに保障額を見直そう
保険期間10年の定期保険等の更新型掛け捨て保険は、加入したときの保険料は安いですが、更新のたびに保険料が上がります。保障額を変えずに20年、30年…と継続すると、かえって保険料は高くなる場合があります。例えば、30歳~70歳まで3,000万円の死亡保障をずっと備えておきたいなら、10年更新型の定期保険より「70歳満期の定期保険」を選ぶ方が良いかもしれません。なぜなら、払込保険料総額は70歳満期の定期保険の方が低くなることが多いからです。更新型の保険を利用する場合は、更新のたびに保障額を減らしていくことも一つの選択肢といえるでしょう。
「そのような面倒なことをするのは、性格上無理!」という方は、加入時をピークに死亡保障額が減っていく「収入保障保険」か「逓減定期保険」を利用しましょう。生活費等の支出が変わらなければ、必要な死亡保障額は末子が0歳のときがピークです。その後は月日が経過するごとに必要保障額は少なくなります。収入保障保険等は自動的に保障額が減額されるので、長期間保障が続く定期保険よりもお手頃な保険料で加入することができるようになっています。
2. 医療保障は単体の医療保険で備えよう
医療保障は、単体で備えることがおすすめです。他の保険(更新型の定期保険、掛け捨て部分が大半の定期付き終身保険、一部の生命保険会社で販売されているアカウント型保険等)に「特約」の形で備えることは避けましょう。
なぜなら、主契約を解約して特約だけを存続させることはできないからです。例えば入院給付金の場合、「入院給付金日額は、主契約の保険金額の1,000分の1まで」等と定められている場合があります。この場合、特約で日額5,000円の入院給付金を確保するためには、最低でも主契約の死亡保障の保険金額を500万円に設定しなければならないことになります。
しかし、子どもが独立して死亡保障が必要ではない状況になった場合、医療保障を続けるために死亡保障の保険料を払わなければならないなんて、ナンセンスです。入院・手術の保障を備えるなら、単体の医療保険に入りましょう。
3. 保険料は戻ってこないと覚悟して、資産形成に精を出そう
掛け捨ての場合、保障期間中に万一のことがない限り、払い込んだ保険料以上のお金が戻ることはありません。見直しで浮いた保険料は、できるだけ積み立てにまわしましょう。
ちなみに、わが家の保険は15年前から掛け捨て保険中心です。当初は学資保険も利用していましたが、教育資金のメドが立ち、かつ、採算がとれる状態になったので解約しました。老後の備えは金融資産でまかなうと決め、投資信託や株式投資で積み立てをしてきました。
ところで、2000年に大手証券会社が「1兆円ファンド」と銘打って、大々的に販売していた投資信託をサンプルに積み立てシミュレーションをしたところ、面白い結果が出ました。2000年2月2日の設定日(基準価額9,966円)から毎月1万円を2013年5月2日(基準価額6,679円)まで積み立てたところ、13年後の現在、160万円の元本(積み立て期間13年4ヵ月)に対して、時価は約190万円になっていました。いまだ設定当初の基準価額の7割以下の水準にしか戻っていないのに、運用利回りは約2.53%だったのです。
このように、積み立て型の投資信托は、基準価額が戻りつつあるタイミングで売却すると、完全に基準価額が戻っていなくても利益が得られることがあります。これは毎月定額の予算で投資信託を買い付けることで、基準価額が低いときにたくさんの口数を買うことができるためです。積み立て投資信託は運用成績が右肩上がりの場合だけでなく、低迷期間が長くても、最後に基準価額が戻る場合にも利益が出ることがあるのです。
わが家の場合も積み立て投資で想定以上のスピードで資産形成できたため、子どもが生まれた当初に加入した保険を見直し、さらに保険料を引き下げています。
掛け捨て保険と積み立て投資の相性は抜群です。投資信託や株式投資で積み立てを行う場合の商品選択は「長く続けられるものであるか」がポイントです。信託期間が無期限で、純資産が順調に伸びているものを選びましょう。掛け捨て保険を利用する場合は、積み立て投資を取り入れることとその商品選びがカギになることを覚えておきましょう。
コラム執筆者プロフィール
柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)
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コラム執筆者プロフィール
柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき ) -
CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。
相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。
家計アイデア工房 代表
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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