2015年01月13日
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出火原因の第一位は放火 “いざ”にそなえる火災保険の入り方
暖房器具の使用や空気の乾燥などにより、火災が多く発生する季節となりました。消防庁の調べによると、平成26年1月から6月における出火原因の第一位は「放火」です。「放火の疑い」を含めると全体の17.1%を占め、第二位「たばこ」9.5%の2倍近い件数となっています。また、東京都、神奈川県、埼玉県、愛知県、大阪府など、大都市を抱える都道府県で放火の発生件数が多くなっています。
今回は、放火の被害に遭わないための対策と、放火被害の備えとして、火災保険の上手な入り方を紹介しましょう。
放火の発生には特徴がある?
東京消防庁が発表している「平成25年中の住宅火災・放火火災の実態」をみてみると、放火の特徴がみえてきます。それでは、放火には、どのような特徴があるのでしょうか。
時期 | 季節に関係なく発生 (放火以外の火災では、冬から春にかけて多発) |
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曜日 | 月曜日の発生が多い |
時間帯 | 夕方から深夜にかけて多く発生 (放火以外の火災では、朝から夜にかけて多発) |
放火場所 | 住宅部分(共用部分を含む)や敷地内が多い |
着火物 | 本・雑誌・段ボールなどの紙類、 ごみくず、枯葉・落葉、合成樹脂製品など |
資料:東京消防庁「平成25年中の住宅火災・放火火災の実態」より執筆者作成
放火以外の火災は、冬から春にかけての乾燥する時期に多発します。しかし、放火は季節の影響をうけません。また、人々が活動をする朝から夜にかけては放火以外の火災が多いのに対して、放火は日が沈む夕方から人々が眠る深夜にかけて多く発生するのが特徴です。放火の発生状況を曜日別でみてみると、月曜日が他の曜日よりも若干多いようです。
家族や財産を放火から守る方法は?
放火については以下のような対策が効果的です。
- 近隣の方々とパトロールをする
- 深夜でも玄関灯や門灯を点けておく
- 侵入感知センサーや防犯カメラを設置する
- 門扉・車庫・物置などの施錠を忘れない
- 燃えやすい物は人目のつかない場所に整理整頓しておく
- ごみ出しのルールを守る
- 自転車のかごに物を放置しない
- 車両カバーは防炎製品を使用する
すぐに取り入れるには難しいこともありますが、できることから対策をしていきましょう。
いざ、火が出てしまったときのために、どう備えたらいい?
どんなに注意を払っていても、火が出てしまうことはあります。火災によりすべての物が燃えてしまっても、すぐに元通りにできる経済的余裕があるならいいのですが、そのような方は多くはないですよね。特にローンを抱えていらっしゃる方には、やはり火災保険が頼りになります。
ここからは、火災保険の上手な入り方についての4つのポイントを説明します。
ポイントその1.保険金額を正しく設定する
建物の保険金額は、同じものを再築・再取得するのに必要な金額「再調達価額」を基準とするのが一般的です。分譲マンションや建売住宅の場合、購入金額には土地代などが含まれているので、購入価格と保険金額が同じにならないことに注意が必要となります。
また、被災後の生活が心配だからと、評価額よりも高い保険金額で契約した場合、実際に損害が発生した時には、評価額を超える部分の保険金は支払われません。この場合、多く支払った保険料がもったいないですね。反対に、保険料の支払い金額を抑えるために、評価額よりも低い金額で契約した場合、支払われる保険金が損害額から減額されることがあります。少しの節約のつもりが、いざというときに充分な補償が受けられない可能性があります。このようなことがないように、適正な保険金額で契約することが大切です。
ポイントその2.不要な補償を外す
火災保険では一般的に、火災、落雷、破裂・爆発、風災・雹災・雪災、水災、盗難、水濡れ、破損・汚損などがセットになっています。ご自分の環境で不要と思われる補償を外すことができる商品もありますので、検討されてはいかがでしょうか。特に水災は、マンションの中高層部にお住まいの方には必要性は低いかも知れません。ただし、高台に建つ戸建てにお住まいの方も、水災の補償は必要ないのではないかと思われがちですが、大雨による土砂崩れは水災の補償に含まれますので、土砂災害の危険性がないか、水災の補償が本当に不要かどうか、よく検討しましょう。
ポイントその3.免責金額を高く設定する
免責金額とは、損害の一定額を自己負担する金額のことで、商品によって異なりますが一般的には5,000円から10万円程度で、契約時に設定します。免責金額を設定すると支払われる保険金は、「損害額-免責金額」になります。例えば、保険金支払対象の損害額が200万円、免責金額が10万円の場合、支払われる保険金は、200万円-10万円で190万円となります。
損害があった場合の自己負担金額は高くなりますが、この免責金額が高いほど、保険料負担は軽くなります。
ポイントその4.保険期間を長くする
保険期間を長期にし、保険料を一括払にすることによる割引も、保険料を軽減させる一つの方法です。ただし、地球温暖化によって自然災害の将来予測がしにくくなっていることから、現在は最長36年ある長期契約ですが、基準となる料率の適用期間が10年に変更されたため、今年10月以降に契約となる火災保険の契約期間は10年までとなる見込みです。
一度契約してしまうと、なかなか見直しをしない火災保険ですが、いざというときに役に立つ補償内容になっているのかどうか、一度じっくりと見直されてはいかがでしょうか。
- 中垣 香代子(なかがき かよこ)
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CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
損害保険会社に約10年勤務後、子育てに専念。約20年間の専業主婦の後、ファイナンシャルプランナーとなる。
「老後のお金サポーター」として、相談業務の他、40~50歳代女性にお金の知識をわかりやすく伝える活動をしている。また、自身の経験から、経済的理由で進学をあきらめるお子さんが一人でも減ることを願い、就学支援の情報発信にも力を入れている。
老後のお金を一緒に考える事務所 所長。
- 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)
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CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。
相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。
家計アイデア工房 代表
- この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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